ただの会話シーン
未来少年コナン#20
演出:高畑勲
これまでのあらすじ:悪の組織が平和な村を占領したが突然の津波により形勢が逆転した。
話の位置:敵の本拠地であるインダストリアへ向かう直前のはなし。冒険活劇のこの作品では珍しくアクションが少なめで地味な会話シーンが多い。特に食事シーンは7回も出てくるのだが、ゆったりとした休憩回を意識してのことだったのかもしれない。
1カット目「食事をしながら聴いてほしい。私たちは夕べいろいろ相談した。」(村長がドアから入って来る。兵士たちの食事のSEが続いている)
2カット目「その結果君たちを全員ハイハーバーの一員として」
(食事のSEのボリュームが下がり、皆が耳を貸す。)
3カット目「迎え入れることに決めた。
君たちはこの島を占領して」
(モンスリーも聞いているが周りに誰もいない。)
4カット目「私たちの麦をインダストリアへ奪っていくつもりだったらしいが」
(1カット目の絵に戻る。会話を続ける村長)
5カット目「君たち自身が麦を作れるようになった方が良いだろうと考えたんだ。」
(兵士たちのいろいろな表情が見てとれる。ただしモンスリー以外。)
6カット目「大変動の後、この島とて僅かな畑は荒れ、家らしい家などどこにも無かった。それから20年」
(村長のアップで話が本腰へ入ることを伝えている。この時、喋りながら左右を見回して1対多数の会話をしている。)
7カット目「悪戦苦闘の挙句、やっとここまでの暮らしを築き上げてきたんだ。」
(ここまでの暮らしの提示。頷きが入る。)
8カット目「それを私たちは大きな誇りに思っている。
やろうと思えば誰にだってできるんだ。」
(先生を映すために画面が真横になる。ここで先生も頷くことで、喋っているのは村長一人だが、いろいろ映そうとしている。)
9カット目「この手を見てくれ誰が見ても百姓の手だ。」
(1カット目と同じ絵だが手をアピールしているので動きはある。同じ絵なのに何故か皆が手に注目しているように見える。)
10カット目「だが私は大変動前には土いじりなどしたことも無かった。」
(1対多数の見やすい構図。同時に村長の人としての大きさも表している。)
11カット目「君たちだってきっとすぐに此処の暮らしになれるだろう。」
(納得がいかないのはモンスリー1人という絵。)
12カット目「どうだね、いま君たちが食べているパンの味は。」
(アップ 話の切り出し)
13カット目「今日から村中で麦刈りをするとこになっているんだ。
ぜひ君たちにも参加してもらいたい。」
(きみたちにも ということで全景を映す。)
14カット目「鉄砲を鎌に持ち替えるんだ。
大自然の中でともに頑張って暮らそうじゃないか。」
(アップ 村長のうったえの画面。)
15カット目「・・・」(なにか考えているモンスリー)
この間、1分15秒。
絵のパターンは1・2・3・1・4・5・6・7・1・8・3・4・8・4・3の順番で全8パターン。
ここで分かるのは大勢の兵士とモンスリーが別に描かれていること。光と陰で言えば、入口に立っている村長の方に光があって、モンスリーの後ろの壁は影っている。村長が1分間ひたすら喋ってるだけというシーンであるが、聞いている方にも注目できる作りになっている。
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