規格外な帰宅部活動記録12話構造解析
帰宅部活動記録の構成ってほんと変でした。
11話で最終回の相談をして、『もうまとまったネタがない』ということで、12話で原作にある残りのネタを絞り取るかのように詰め込んでくる。それはまるでアニメ2期はないだろうから使えるものは使い切っとけというスタッフの心中の吐露なんじゃないのって気がしてくる。
だけど同時期のアニメが続きを匂わす様な未練がましい終わりをしているのが多いから、そうならなくてよかったとは思う。
まとまったネタが無かった結果20本立ての話になって、公式のあらすじがおかしなことになっていた。
OPEDの時間が3分だから21分で20本
単純計算で1分アニメを20回放送する計算に。
こういう構造のアニメの場合、1本の時間は均等に分けられるのか?
それとも不自然に短いものが隙間に埋め込まれるのか?
その場合の数のバランスは?
前半と後半で偏りは出るのか?
というわけで実際に時間を測ってみた
【時間配分】
0:00
ちびげき60秒
1:00
○ 記録の三十七「よみちがい」50秒
25title(3s)
1:50
OP 90秒
3:20
○ 記録の三十八「爆散ってなに?」122秒
23title(4s+9f
5:22
○ 記録の三十九「虫嫌い」29秒
00title(4s+9f
5:51
○ 記録の四十「節水」42秒
24title(2s+15f
6:33
しばらくおまちください
6:44
○ 記録の四十一「対義語」57秒
5title(2s+9f
7:41
○ 記録の四十二「登場!!あいかりん」123秒
28title(3s+12f
9:44
○ 記録の四十三「あいかりんの逆襲」59秒
00title(2s+9f
10:43
アイキャッチ
10:48
アイキャッチ
10:53
○ 記録の四十四「油断」23秒
19title(4s+12f
11:16
○ 記録の四十五「絶対平等」65秒
4title(5s
12:21
○ 記録の四十六「鳴き声」35秒
0title(2s+15f
12:56
○ 記録の四十七「地図」27秒
0title(3s+3f
13:23
○ 記録の四十八「庶民の味」31秒
0title(4s+12f
14:04
○ 記録の四十九「武勇伝」70秒
0title(2s+6f
15:14
○ 記録の五十「†もしも異界でクマ四天王の着ぐるみのクマの中の人がスーパー女子ヤ人だったら…†」76秒
13title(3s+12f
16:30
○ 記録の五十一「うろおぼえてもいない歌」86秒
0title(4s+12f
17:56
○ 記録の五十二「可愛い子には飴をあげすぎた」38秒
0title(4s
18:34
○ 記録の五十三「絵描き歌」11秒
なし
18:45
○ 記録の五十四「かわいい」18秒
0title(2s
19:03
○ 記録の五十五「桜ちゃん絵描き歌」24秒
なし
19:27
○ 記録の五十六「ツッコミの穴」16秒
13title(2s+18f
19:43
○ 記録の五十七「大事なお知らせ」104秒
0title(3s+12f
21:27
ED
22:57
(いちばんぼし) 62秒
おわり。
というわけで
ちび劇場が1分、最後の幕引きが1分だったから、実質本編19分で20本もやっていた。
そのサブタイトル表示時間だけ合計したら104秒と21フレーム使ってた。
時間があったのか無かったのか分からんな。
その時間も除くと17分で20本という過酷なスケジュールに。
(title前の数字はアバンタイトルの時間)
何も考えずにコンテ描けばアバンタイトルなんて用意することはなさそうなもんだけど、思ったほどネタの間隔がぶつ切りで無かったため導入部の用意されている個所もあった。
といってもそれは前半だけで・・。
【話の流れ】
授業中に寝てる桜
→授業中に寝てる花梨
→昼食
→大きさで言えば(部室で便の話)
→空気清浄語中にクレアが入って来る
→古橋から呼び出し(花梨は部室に居なかったのでここまで同日の出来事だと思われる。)
ここでCM (前半は7本!)
生徒会室→もめごと→異名といえば
ネットで見つけた雑貨屋を探す(入る描写ないのかよ)→コンビニでお菓子買って公園に寄る→夕方になってて何かの話の流れで武勇伝になる
脈絡なし
脈絡なし
以下同文
記録の49から前後の繋がりがおかしくなり、50から57に掛けてはもう時間と位置関係が関係ない構成になっている。
その上、それらのネタの時間が30秒未満という短さになってきて、会話のやりとりにもならないような小ネタの連続で情報速度が加速しているのはまさにテンポの詰。
前半の安定に対してバラつきが目立つ構成が生む不安定感は、個々のネタの短間隔での長距離ジャンプが連続することによるものであり、その移り変わりの激しさから結果としてスピード感が演出されている。(ここでいう距離と言うのは時間と位置関係)
映像テンポが”いい”を理屈で説明するとこういう説明になる。
テンポを詰めてるのは単純にタイムリミットが迫ってるからでしょう。
絵描き歌だけサブタイトルは常時出しっぱなしで、2回に分けて間に1本挟むことで画面移りの忙しさを強調し、記録の54なんかはジングルが出だしでカットされるというイレギュラーさから、時間の足り無さが分かってくる。
そういう映像内での「焦り」を見せつつ『本編残り60秒』でキャラクターが焦る展開になって、時間を棒に振ってエンディングへ。
そこで熱心な視聴者(私)なら1話とか冒頭の「早いよエンディング」という言葉がよぎる。見越してのものだったのか、ちょうどED曲もその時期のものだ。仕掛けだとしたらうまい。
【終着点について】
このアニメはどういう風に締めるのか想像が付かなかった。それが部員でもない古橋で終わるというのは衝撃だった。
1話からの謎だった?謎と言うほど誰も気にしてなかった古橋の部活の伏線回収と、夏希が古橋の名前を呼べるようになったという、何の意味も持たない建前ばかりの「成長」を遂げて無理矢理綺麗にエンディングを迎えた。
確かに何の締りも無いエンディングよりは、12話を通して何か得たものがあれば作品として収まりが付く。最終回には決着がつくことを期待されるもので、名前を覚えてもらうという形でここに一つの決着がついたのだ。つまり内容がアレなだけで箱としては真っ当に作られていたのだと感じます。
あの内容で許されるのはギャグアニメならではですけどね。
ちなみに携帯の着信画面からもその認識の変化が覗ける。そのために「あいかりん」がぶっこまれてたのかー。
【45フレームになる計算とは】
「どうせなら記録の100まで行きたかったなー」
100ネタまであと43ネタで、45フレームに1ネタすれば間に合うと言っていた
45f=0.75秒
45フレームに1ネタ=43x45=1935f(32秒)(仮に24f換算としても80秒)
最後の60秒間の話だと思ってたけど、いつから数えて32秒なのか?そもそも32秒と15fで整数にならないのでこの数字は違っていると思うけど。
古橋から電話が掛かってきたのがEDの45秒前で、32秒前だとナツキノフとか言ってる最中。
電話が終わったのが3秒前なので、4.5フレームとか4・5フレームに1ネタだったら辻褄が合うんだけどな。
実際どうなんですか?
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Comments
この残り60秒も部長の勘違いだと思ってたから、本当に終わって焦ったw
それにしてもこの12話、面白かった。
2期は無理でもOVAで、裏サイト回がでないだろうか。
Posted by: | October 16, 2013 22:15
ありがとうございます。拍手コメントも読ませて貰いました。
>>勘違い
そうなっていてもおもしろいし、今までの経験からしてありそうですね。
>>裏サイト回
は私も好きです。
掲示板を再現するだけならドラマCDの方が現実味がある気がします。
Posted by: 著者 | October 18, 2013 20:38