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July 03, 2009

ガンダム本紹介2 モビルスーツ開発秘録

MS開発と戦果の歴史を徹底検証
究極の「モビルスーツ」兵器読本

MS画報、パーフェクトアーカイブス等を出版している竹書房のガンダム本が2冊同時に出ました。
表紙はそれぞれザクとガンダムで、「モビルスーツ開発秘録」はジオン軍のMSしか扱っていません。もうひとつの「ガンダム最強伝説」は当然ガンダムしか扱っていない。

開発秘録を読み始めるとまず宇宙世紀の歴史の説明から入る。
MSが開発される経緯を説明しているのだ。
その後でドップの空力にツッコミをいれたり、キャノピーは有視界戦闘用にでかくしてあるんだとかMS以外の話の中でサウロペルタという単語にあたりました。

なんだこの星座みたいな名前の兵器は?
写真を見るとサウロペタと誤植されているが車両のようだ。
あからさまにCGなのでIGLOOで出てきたんだろうなと思い独自に調べました。

サウロペルタはUCハードグラフのサイクロプス隊セットで模型化されていて、ジオン軍の一般的な軍用車であり、MSの侵攻するところ絶えずその姿ありと噂されるほどのポピュラーなものだそうです。だとすると「時間よ止まれ」で爆弾を仕掛けたジオン兵が乗っていたのはこれかもしれない。

第一印象で2007年11月に出た双葉社の「MS戦略分析」に似たものを感じたのですが今回のは2009年7月に出ただけあって、先のように新しい情報がチラホラとある。
それだけなら今回の本はいらないのだけど、もっと明確な差異は前者は考察本なのに対して後者は設定本であったということだ。

戦略分析」は現代の視点を持ってサラリーマン・ベルサイユ・ファーストガンダム冒頭のシーンという単語を使って文章を書いているのに対して「開発秘録」はそうした私的観点を排除していて「ガンダムオフィシャルズ」の文体に近い。解説に徹底している。
つまりプラモの解説書や既にある設定をまとめてくれている。それが読みやすく文章になっている。08小隊の宇宙世紀裏話もフォローしているしゼロジアールも載っていた。
帯には「MSの常識がここに!」とあるが、常識シリーズは双葉社から絶賛発売中です。

そんな細かい設定本を読んでいて個人的にひっかかった単語を幾つか紹介してみよう。
ベロウズリム(ゴッグ)
バルクヘッド(ズゴック)
メキシコ湾(グラブロ)
アラミド繊維(ガンダム)
熱源イメージ誘導(ダブルゼータ)

後半2つは「最強伝説」の方。
こういうのを見ると初出はどこだってなるので、その時の思考方法はこうです。
『ググってもウィキペディアにぶつかる→参考文献が載ってることは稀すぎる→部位のシステムについては大抵プラモ(MG)の取説に記載→ゴッグMG→ズゴックMG→ガンダムPG→メキシコ湾はパーツじゃないしグラブロは最近プラモ化されていない→ガンダムオフィシャルズには載ってる→昔からある設定→戦略戦術じゃない→センチュリーじゃない→講談社MSV→正解。』

というわけでEBの「戦略戦術」と「センチュリー」と「MSV」があればかなりフォローできます。プラモの取説をまとめた本は無いのでこの本は持っていてもいいかも。もしかしたら「SDクラブ」の小説の設定かなんて思ったけどあれも本になっていないのが残念。わからないのが熱源イメージ誘導なんだな。これは放置しておく。

この本て書き下ろしイラストが意外と多くてそこも魅力の一つなんだけどガンダムの方のイラストは大きいのに文庫本サイズでの見開きなので見づらい。

一方のガンダムの本は設定本というよりタイトルの通りガンダム伝説の戦史をつらつらと述べてる部分が多くて面白くない。アニメ描写の記述とかパイロットの活躍とか大局的な時代背景とか他のダイジェスト本でさんざんやってること。無駄に分厚くしたような印象をうけた。

いまさら知ったことなんだけどV2が51話でやった光の翼ガードってシールドの基部を使って引き寄せてたんだね。動きは知ってたのでとても納得。

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