タクティクスオウガ 印象に残った台詞集
なんかリメイクでテキスト数が倍になっているようです。
「SFC版の全テキスト量が約30万字でしたが、今作は約70万字を超過(※FF12は約60万字)。」(松野さんのツイッターより)
タクティクスオウガはゲームのシステムも好きですがセリフも魅力的なんです。もっといえばこのゲームの作り込まれた世界観が、地形マップを調べた時のどうでもいい文章から想像できる所も好き。
リメイクによってオリジナルのセリフから変更されている箇所もあるでしょうが、とりあえず各章から5つずつ印象に残った台詞を紹介してみます。
1章はこの5つ。
スクリーンショットを見るだけで思い出が蘇る。
ロンウェー公爵
「2年前、貴殿らの王国が誕生したとき
指導者の傍らには常に翁のような
占星術師がいたと聞く。
占星術師ウォーレン
「そのような魔法使いがいたとは
聞きますが、私ではございません。
ゲーム開始近辺の台詞です。前作をやっていれば同名の占星術師に加えてランスロットにカノープスも一緒なのでその正体については疑う余地もなく、それでいて目的は最終章まで明かされないので、ネタ明かしになるどころか物語への吸引力になるというシチュエーションがすごい。
テンポの問題もあるのだろうけど、こんなにハッキリ嘘をつかれるとかえってすがすがしい。あっさりと受け入れるロンウェーだけど別に信じたわけではないんだろうなー。
システィーナ
「私たちヴァレリア解放戦線は、以前の
ような…、人種や思想を問われず、
平等だったあの頃を取り戻したいと…
ヴァイス
「平等だってッ!ハッ、お笑い草だね。
以前のどこが平等だって言うんだ。
「おまえらバクラム人にとっては
そうだったかもしれないが、俺たちは
虫ケラのように扱われていたんだッ!
1章の段階ではまだバクラム人は絡んできませんが、唯一のバクラム人がこのシスティーナである。こうして早い段階から民族間の対立を浮き彫りにしてある。ウォルスタの力関係もさりげに説明して、これから逆転してやると言う高揚した気分でモチベーションを上げる。
ここでシスティーナが去り際に振り返るのがデニムの存在に気付いたからだという意見を聞いたことがあります。
聖騎士ランスロット
「きみたちのような若者が
戦わなくともよい…
「そんな世界を築きたいものだな……。
ゲーム中でランスロットが活躍する時間はかなり少ない。戦闘に参加するのはチュートリアル的な戦闘の2回限りで、レベルも低くすごい活躍をする訳でもない。そんなランスロットがどうしてデニムの師匠のようなポジションになっているのかというのは、このシーンがあるからに他ならない。むしろこのオルゴールのエピソードが無ければ、最終章の廃人イベントの威力も半減どころではない。ここではBGMがなくて音を制限して会話に集中させるようにしてある。ここで流れるオルゴールが後のフラグであり大きな意味を付けてある。
死んではいけない。その言葉がオルゴールの音色として廃人になったランスロットに語りかける。
老婆
「あんたたちが何もしなければ、
平和な生活が続いたんだよ。
「解放軍だかなんだか知らないが、
ただ、首がすげかわるだけじゃないか。
あたしたちには関わりないことだ。
「あんたたちと同じことを言ってた息子は
半年前の戦争で死んだよ…。
あたしの息子を返しとくれッ。
1章の終盤、ガルガスタン人によるウォルスタ人強制収容所に攻め入り、そこの住民に武装蜂起を促す16歳の少年たち。しかし住民は疲れ切っていて説得には応じなかった。これまではうまくいったけれど、順風満帆というわけにはいかない。物語の大きな山というのはピンチによって作られ、正にここが山場となる。ここでランスロットの台詞を振り返ると、戦っているのは本当に若者だけ。老人は戦いを放棄しており対比構造を築いている。若者が戦わなくても良い時代が来ればいいなと言われながら、あんたたちが戦うからいけないんだと言われる。新任の騎士に与えるには酷な任務だよなあ。
この台詞を吐くのは「老婆」という名もないキャラですが、Cルート3章で出てくる「おばさん」はとても友好的な人物で自軍にカノープスがいない時のみ出現するんですよね。
デニム
「馬鹿なことはやめるんだッ!
罪もない人々を殺して何が大儀だッ!
騎士レオナール
「自分の手を汚してでも理想を貫く…、
それができなければ戦いに参加しては
いけない…、いけないんだよッ!!
約5000人の収容されたウォルスタ人。決起しないのなら殺されたことにして役に立ってもらおう。だから今から殺すよというシーン。ここで好きなのは「いけない・・・、いけないんだよッ!!」っていうレオナールの自分に言い聞かせてる風の口調なんですが、ほんとにレオナールさんは騎士の鑑です。忠誠を誓った人物に対してはあくまで従順。(Lルートでは反逆を起こすんでしたっけ。)虐殺という行為はロンウェーみたいなのが椅子の上で命令するだけで、行為者であるレオナール以下兵士たちは本心では苦しんでいると伺うことができます。
「僕は理想のためにその手を汚すことができるのか…?」と繋がる
思ったより時間が掛かるから今日は2章までにする。
印象に残った台詞ということで、まあこんなチョイスもありかなと。
デニム
「進めーッ!
ガルガスタン兵を皆殺しにするんだ!
台詞は2章Lルートの頭から。デニムもこんなこと言うんだ。
この直前のカチュアは駐留軍が少ないので被害を抑えることができることを喜んでいます。噛み合わねぇ兄弟だなあ。
選択肢による変化というものを大々的に提示している面白いワンシーンです。
デニム
「ばかな…。あんな酷い仕打ちを
誰が許すというんだッ!
ヴァイス
「俺が許すッ。歴史が許してくれるッ。
わずかな犠牲が同胞の未来を築くんだ。
歴史を作るのは勝者であり、正義は勝者によってのみ語られる。いつの世もそんなもんだよね。問題なのはヴァイスが勝者であるかどうかなわけで。敵キャラとして登場してきた以上やられる運命であるヴァイスがこの台詞を吐くことで、自分は敵ですよ。これから負けますよ。と言っているようにも聞こえる。
「ヴァイス…、おまえ…。」
災いのダゴン
「3万ゴートの金があれば…、娘の命を
助けることができるのに…、くそッ。
印象的な敵キャラシリーズその1。首に賞金を掛けられたデニムを狙うのはザパンのような荒くれだけでなく、このように本当にお金に困っている人もいるよと。しかもお金の使い道が私欲というよりも娘の命であったことの衝撃。そして娘の命を助けるために人の命を狙い、自分の命を失う結末。娘のことは死に際の台詞で発覚するので嫌な気分だけ残る仕様。ファーストインパクトはでかい。こういう味のあるチョイ役が全体の完成度を上げていくのだと思います。
この後ダゴンからはネクロマンシーといって死者をアンデッドにする呪文が手に入るというネタも仕込まれている。
バルバトス枢機卿
「争いを始めたのは私ではないぞ。
貴様ら、すべての人間だッ。
貴様らが私に争いを始めさせたんだぞ。
「哀れだぞ、ロンウェー。
貴様も私と同じだ…。
「ぐうたらで、不満ばかりを口にし、
自分では手を汚さない…。
それが民衆というもの。
「ロンウェー、貴様は民を手中に
収めたと思っていよう…。
しかし、それは見当違いだ。
「手のひらで踊っているのはこいつらでは
ないぞ。私と貴様だ…。この私の姿は
貴様の未来の姿なのだ。ふはははは。
どのルートでもロンウェーとバルバトスという権力者は死亡します。バルバトスの場合は自殺かギロチン刑で、後者のギロチン刑のシーンは回想モードを閲覧することで初めて見ることができると言う隠しのような仕様になっています。タイミング的にはボード砦を訪れた後で見れるようになるはずですが、ボード砦の会話でさらっと刑が執行されたという情報は得られるんですね。ただその状況を映すのは生々しいと感じたのか、挿入するタイミングを作れなかったのか、いずれにせよ裏話的なエピソードも盛り込むことでお話としての広がりが生まれている。もしくは無理矢理本筋にねじ込むのではなく、慎ましく公開しておく方が上品になるという良い例かもしれない。実は同じ仕様のイベントがもうひとつあるのだが、それは3章で。会話については触れていないけれど、重いのでこれで失礼する。
騎士レオナ-ル
「…きみは実にうまくやってくれた。
礼を言うよ。
「あとは、謀反と公爵殺害の罪を被って
死んでくれれば、解放軍はまとまる。
ありがとう。…今日までありがとう。
デニム
「僕が死ねばすべてがうまくいくのか…?
騎士レオナ-ル
「そうだ。きみがすべての罪を被って
くれさえすればいい。
「きみは裏切り者とののしられても
自分の欲と感情を殺し、
解放軍のために尽くしてくれた。
「しかし、それも今日で終わりだ。
今日、きみが犠牲になることで
きみの役目は終わるんだよ。
死ぬことで役に立つというのはさっき書いたバルマムッサの住人の立場ともろに被りますね。これはLルートの台詞ですから虐殺を肯定したデニムの心中は想像に難くありません。5000人の犠牲に対して今回はデニム一人の死でウォルスタ人が纏まるのです。ここでヴァイスが助けに来るので結果的にデニムはレオナールを殺し、結果的にレオナールに罪を着せることでウォルスタ人は纏まります。どちらが死んでも同じことだったとレオナールは死に際に語りますが、レオナールの方が生き残るLルートというのもやってみたいなと思ったり。
ロンウェーの死亡パターンはレオナールにやられるかヴァイスにやられるかの違いしか無い。どちらもウォルスタ人なんですが。
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