5話「大脱走!囚われのガンダムファイター」を語ろうの回
過去最高にweb拍手が送られてきた。
アクセス数と数字が合わないのでbotとかクローラーとかの仕業なんだろうけど、急にこんな事態に逢うと恐いものです。
でも実際に拍手くれる人はありがとね。
で、大量に拍手貰ったし何か凝った文章書くかと思って
最近の一押し、「帰宅部活動記録」か「Gガン」か迷って結局Gガンにした。
このブログのガンダム記事まとめた時に改めて、アニメ自体の感想が少ないと思った。設定についてはいろいろ語ってるけどガンダムは映像作品だ。映像としての見所を語ろうと。
取り上げるのは、機動武闘伝Gガンダム DVD2巻の1話目に収録されているのはネオロシア、ボルトガンダム、アルゴの初登場回。
この話の見所は、海に囲まれた収容所に捉えられたドモンが脱出するには、ネオロシアのガンダムファイト戦略とは、敵か味方かバードマン、シャイニングガンダム対ボルトガンダム、この4つを20分でまとめたかんじ。
青野さんの語りが長いんだけど、これがいいんだ。
30分(20分)アニメでひとつ話を作ろうとなると、1から10まで作中で語らせるのは不可能だ。だから2から始めて1を想像させるのもありだし、3から5までを極少ないやりとりに含ませるような圧縮技術も必要になる。
Gガンダム5話では主に3つの視点で話が展開する。
一つ目の視点はレイン。ドモンを探して町の人に話を聞いている。
ここで早々におばさんの語りのみで状況説明を終える。「この街に来たガンダムは全て消えてしまう」「収容所のある町に観光客なんて来ない」
そして店を後にするレイン。コアランダーはレインの所にあって、ドモンはここにいない。という絵。
レインが目の前の海に挟まれた囚人収容所に目を移す。中の様子が映されて次のシーンという流れ。
・ドモン視点。サイレンが響く収容所の中を逃げている。
「なぜ奴らはガンダムを探している」
時間軸は遡りドモンの回想へ。
尋問を受けるドモン、「さっきから言っているだろう、ただの観光旅行だってよ」(観光客回収)
捕まるところからでは無くて最初から捕まっているというのが肝心。このテンポ感が訴求力を付ける。そして既に逃げ出してもいるから2ステップも飛ばしている様なもんだ。
そして開始3分で、3者の目的が語られたことになる。
ドモン→収容所脱出
レイン→ドモン合流
収容所員→ドモンのガンダム発見
回想終わり、「あの連中は何が目的だ」繰り返される疑問。キーワード。これから語られることの予告。念を押されなければ普通にファイトだろと思うところ、念を押して相手の悪だくみを視聴者に誘導している。
ドモンの前に立ちはだかるアルゴ。
背中越しのカット→その巨体さから立ちあがるだけでドモンの体を覆い尽くす。
真横からのカット→2倍近い身長が対比される。
『アルゴ=でかい』の刷り込み
「パンチが効かない」ドモンは連続して拳を叩きつけるが微動だにしない、アルゴは重くゆったりしたハンマーパンチ一発でドモンを沈める。
格闘スタイルの違いをアピール。
・レイン視点
ネオジャパンと連絡を取っているが、外国のことには手出しできないらしい。画面端の食べかけで放置された食事から、レインの心配が伺える。
・牢屋のドモンとバードマン
「ここへ入ったらお終いさ」→お終いじゃない宣言
ここでもまた、バードマンの語りによって状況が説明される。こうやって情報通のゲストキャラを味方側に付けることで、巻き込まれている主人公側の理解が追いつくので、話がスムースに進む。
捕まったファイターがどうなるかという仕組み説明が終わる。
・収容所員視点(一瞬)
「スパイを送り込み、挫折させ、ガンダムの居場所を吐かせる」
という1カットを間に差し込むだけ。
これでバードマンをスパイに見せたい訳だ。
後から分かることだが、実際のスパイであるアルゴの前で、挫折どころか出ていく意思を見せるドモン。アルゴから脱出する計画を持ちかけられる。
ドモンを認めるきっかけになるのでこのシーンは重要なのだが、20分アニメでなければもっと膨らませたであろう。
Aパートここまで
・牢屋のドモンとバードマン
「車を盗めたって海の前じゃドボンだ」「今夜は一段と冷えら」二つとも伏線なんだけどバードマンが良く喋るからあまりに自然で伏線に聞こえない。
その次に来る収容所員パートもきっちりバードマンの直後に挟まれる。
「たいしたスパイだ」
そしてトントン拍子に脱出
この背骨の角度が良い
「脱走に見せかけてガンダムを誘き寄せる、これを狙っていたのか」
で、ガンダムファイトは相打ち。
その後、割と大切なアルゴの身の上話はバードマンの語りで軽く触れられる。
「俺も囚人なんだ、この地球という名のリングの」
Gガンダム 5話 完
レインはちょくちょく出る割にガンダム渡したらあっさり退場するし、アルゴについても深く触れた話でも無かったし、ナスターシャも簡単に諦めて戻っていくし、何を切って何を残すかと考えていくと、これは完全にバードマン回だ。囚人としてくすぶっていたおじさんが、若者の気概を見て元気になって帰っていくという。何度も自由というワードが出てくるように5話のテーマは自由であり、ドモンは戦いを強いられた囚人であった。
(余談)
バードマンってもとあった設定の中にチャップマンと因縁のあるネオブリテンのファイターだという設定があった。ガンダムエース連載の漫画版では鳥型ガンダムで戦闘に割入って命を散らす。どうせなら元の設定を生かしてほしかったな。
| Permalink | 0
Comments