ガンダム本紹介6 ガンダム00-N
何で今更って思うけど、この本の情報量が多くて今までじっくり読む機会を失くしていました。
『アニメ本編制作陣が手がけた機動戦士ガンダム00世界の決定版第一級記録集』
ダブルオー版MSERAを目指して作られたこの本の内容は、電撃ホビーで連載されていた模型をCG加工した絵とそれについての文章が見開きで1セットになったものの集合。後半にはネットで連載されていたアニメ本編のスタッフが、前者と同じスタンスで西暦の世界を切り取った「G-ROOMS」が載っている。
文章は千葉智宏なので外伝との絡みもある。絵はアニメ本編から数名。
水島監督を含め、アニメのスタッフが雑誌の企画の為に全面的に参加していて細かい設定の作り込みが読んでいて興味深い内容。
巻末の座談会を読んでもこのチームの結束力の強さをうかがい知ることが出来る。
MSERAを手本にしているということで主役たちはほとんど取り上げられないが、一兵士や戦場に出ないような人らからの視点で、メカニックとそれに付随するエピソードが語られる。
【内容一覧】~それぞれの趣旨と面白い設定について~
1. ジャーチョーからみえる人革兵器のスタンスについての非難
2. レイヴの書いたシャオショウについてのレポート(シャルの名前が出る)
3. 陸戦ヘリオンの広報用写真のエピソード(ナノマシン塗装)
4. AEUの農業発電
5.ガンダムのテスト相手だったアンフのカメラデータ発掘
6.ユニオンリアルドの完成式典と宗教観のずれ
7.ユニオン機の形式番号決定プロセス
8.フラッグとブラストの試合(ドラマCDで語られたもの)
9.コーラサワーによるエアロフラッグ考察
10.海中用MAシュウェザァイ
11.軌道エレベーターについてのルイスのレポート(16話にも登場した)
12.イナクト公開テスト時の報道写真(エクシア)
13.AEUのビーム開発、「バディクラフト」という単語も(ロベール著)
14.ティエレンパイロットによるガンダムの証言(絹江の取材)
15.少年兵を使った精神戦
16.アンフが普及する理由
17.16話GN粒子を見た人たちのネット上のログ
18.デブリから回収された紫ハロの画像データ
19.エイフマンの書斎とトランザム理論メモ(教授の秘書設定)
20.グラハムが回収したガンダムの腕の話
21.アルヴァトーレの色考察(ロベール著)
22.アレハンドロの略歴、リアルドのパイロット時代(クレーエとテリシラ)
23.1期最終回後で人革に回収されたキュリオス
24.世界的有名雑誌の表紙を飾ることになるジンクス
25.その雑誌について掘り下げと宣伝(アナー)
26.1期後のジンクスの量産体制
<外伝の登場人物>
レイヴ:00Iに出るイノベイド
シャル:外伝全般に出るガンダムマイスター
ロベール:00Vに出るMS研究者
クレーエ:00Iに出る医者
テリシラ:00Iに出るイノベイド
アナー:00Fに出るジャーナリスト
【2期・劇場版】
27.カタロンの武装など
28.ファングという兵器
(ファング比較表)
29.ブレイクピラー事件の隠蔽について
30.イノベイドが大型MAを使う理由
31.エンプラスの異形さ
32.半壊したレグナント回収中のエピソード
33.イノベイドの技術を組み込める(ビリー著)
34.追加装備のテストの重要性
35.ガッデス発進準備(広報写真)
36.イノベイター、量子脳(テリシラ著)
37.まるでガンダム、ジンクス4は市民を守る盾
38.戦後残されたガガの再利用
39.ELSの生態、ELSガデラーザ
40.粒子バリアを使うELS
41.「サイパン島のジンクス」は有名(ロベール著)
42.レナードのサキブレが新生命発見、スメラギの最初の目的地になる
43.スメラギ出発の日、ELSクアンタの帰還を確認(ロベール著)
ここまで100ページで、200ページ以上ある本ということでボリュームを分かって欲しい。
*レナードは00Pと00Iに登場
あとは巻頭ポスターが劇中劇の映画のキービジュアルになっていて、スタッフキャストの名前が微妙にもじってあったり、MSにスーツアクターがいたという設定が載っている。
こういう雑学的な小話が面白くて、ダブルオーの知識を広げるためには欠かせない一冊と言える。
だが前半の本編キャラが絡んだこぼれ話に対し、後半の文章は本編との絡みが薄い気がする。設定だけ語っていて作品世界の空気が希薄なのが惜しい。
この中で好きな話は20と32。
20はガンダムの損壊したパーツの行方という興味深い話で、機密保持のために爆発する仕掛けの存在や、GNフラッグに繋がる話が判明した。こういうMSの被弾についての話は本編で詳しく描かれずにいつの間にか直ってることも多いものだが、こうして未知の技術を持ったMSのパーツを切り落としたことが、どれだけの功績かということが良く分かるエピソードだった。
そして32は損壊したレグナントを回収する連邦の下っ端兵だが、中からガンダムの顔が発見されると回収作業を慌てて中止。ブービートラップを危惧して特殊班を呼ぶというもの。いやー回収作業って地味だけど、縁の下の力持ちっぷりが魅力的に映る。こういう人って大概愚痴っぽいから人間臭いんだよねー。
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