ガンダムF91の劇場公開版
ガンダムF91のDVDでもBlu-rayでも、劇場公開版と完全版を選択できるようになっているけど、それは単に完全版の新作カットを見るかどうかの選択肢であって、劇場公開時の修正される前の作画や、音声の面での違いは無視されている。
つまり、ここでの劇場公開版は「完全版から新作カットを引いたもの」という意味である。
現在、真の劇場公開版はVHSで確認することが出来る。
それを比較ついでに見返したところ、完全版でも作画ミスが たくさんあることにようやくにして気付いた。
例えばこんなセルを重ねる順番の間違いとか、
ダメージ描写の打ち合わせが出来てないとか、
F91の肩のマーキングが消えたと思ったら、また描いてあったり、ダギイルスの盾のマーキングを消したのに復活したり、アンナマリーのスーツにエンブレムがあったり、なかったり。
完全版を発表すること自体、劇場公開前に作業が上手くいってないことが伺えたけど、その完全版でも直って無いとは。
でも前半の作画は、かなり良い。逃げ惑う群衆のシーンが、かなり長くて多いのに丁寧。それぞれが違う動きだし、人数が多くて外見も体型も違う。それらが躓いたり、再会を喜ぶ家族がいたりして、コマ送りのしがいがあった。
F91の戦い方も、尺の都合でスピーディーで視聴者に一切説明しないから、コマ送りのしがいがある。実はビームシールドはものすごい伸びるし、ヴェスバーはライフルに合わせてトリガーが自動で引かれている。ラフレシアの攻撃で地味にヴェスバーがパージされる。
見える角度なのに見えない。ぜんぜん完全版じゃない。
それで、劇場公開版。
作画が違う
動きが違う
音楽が違う
背景が違う
色の塗りミスがある
影の有無
エフェクトが掛かってない
完全版で削除されたカットがある
セリフのトーンが違う
セリフのタイミングが違う
セリフが違う
VHS版はトリミングされて左右カットの4:3だった
トリミングの都合?でパンが追加されていた
ズームの仕方や速度が違う
という違いがあった。
いちばん興味深いのはセリフの違いですが、徳間書店のフィルムブックを読んだら劇場版のセリフが書いてありましたから、そちらでも確認できるはずです。
具体的には93分モニカの「あたしだって」で、セシリーとモニカの会話を強制終了させてる。
94分2機でクルクルするとこの「こいつら このコロニーの人間を皆殺しにするつもりか」
「そうでしょ、鉄仮面ならやるわ」
で、「なら鉄仮面をやるしかない」に繋がる。完全版でのマイッツァーもザビーネも知らないカロッゾが勝手にやってることだという説明セリフを簡略化した結果のようだ。
97分完全版にあるラフレシアの出撃はカットされて、その後「来るぞ、何だ」という共通セリフの次に別のモブが「俺たちの帰る場所が無くなっちまうぞ」と言う。
97分「愚かしい兵士といえども、感知できる脳波を発信するものらしいな」で「1人では無いのか、ベラは」に繋がる。完全版は「1人では無いのか、ベラは」しか言わない。
というように、カットの追加と削除は全て91分以降に固まっている。固まっているが、作画の変更などは10分時点から確認できた。
ちなみにこれは1分時点だが。VHSの劇場版の方が上下が広い。この改変は群衆感を出すための意図的なトリミングだと思う。
他でもVHSの方が縦に広く映っている場面は見られたが、ここまで違いがあるものは無い。
あとはこういうのとか、こういうの
10分のシーブックの作画
11分のシーブックとセシリーとドロシーの作画
15分のセシリーの作画
16分のセシリーの作画
28分のカロッゾの椅子の動き
29分のセシリーの作画
30分のセシリーの作画
31分のセシリーの作画
33分の背景のビーム欠け
36分のシーブックの作画
37分のシーブックの動き
37分にパン挟む
38分のモニター表示
53分のモニター表示
54分のパン
56分のマイッツァーのアップ
56分のザビーネの作画
57分のマイッツァーの動き
61分にパン挟む
62分のズーム
67分のランプ
70分のシーブックの作画
73分のシーブックの作画
75分のジーブックとアンナマリーの作画
78分にパン挟む
80分のシーブックの作画と動き
82分のゾンドゲーの作画
82分のケーンの動き
以降、変更点多すぎ。
MSの修正が少ない。メカ作画は上手くいっていたということか。キャラの修正にしてもシーブックとセシリーに集中している。
今回のことで見直して思った。F91ってアニメは、内容を知っていれば すごく面白く見れる。
時間を跳ばすシーンの繋ぎ方が大胆すぎて初心者に理解させるのは厳しい。
省略された部分を補完できる知識を持っている上級者向けのアニメだ。
| Permalink | 0
Comments