【PS2】 金八先生(完全版)の紹介
「3年B組金八先生 伝説の教壇に立て」は
2004年のPS2用ソフト。
シナリオが追加された完全版は2005年に発売。
ジャンルはムービー多めのアドベンチャー。
やって良かった。久々に面白いゲームに出会えた。
チュンソフト開発じゃなかったら絶対手を出して無かったゲーム。
プレイした人の大半が思うだろうけど、金八先生要素が薄すぎる。ゲームタイトルのせいで本来の客層を遠ざけている。
私はどっちかというとドラマの金八先生に興味無い方だったけど、知らなくて全く問題ない。
プレイヤーこと主人公は中学校の教師ではあるけど、金八先生は別にいる。金八先生は入院してしまっているのでアドバイザーとして登場するのみ。驚くほどストーリーには絡んでこないのだ。
だいたいどんなゲームか説明すると、教師を扱っているけど学問的な授業要素はゼロ。
中学生の抱える悩みを解決するために人に話を聞いて回るというのがメインなので、教師というより実際にやってることは探偵みたいなことだったりする。その解決までの期限が設けられていて、それを過ぎると教師失格のレッテルを貼られてゲームオーバーだ。
会話はフルボイス。ただし主人公は喋らない。主張をするべきときにカードという形式でワードを選択できる。このキーワードとなるカードを上手く集めていかないと生徒の問題は解決できない。フルボイスなだけあってバックログを除いて会話のテキストは表示されないので良い場面のキャプチャーができなかったというのは個人的な事情。
生徒は男女21名、それぞれ進学・いじめ・家庭問題・アイドル活動と、じつにそれっぽい、
教師もの学園ドラマにありそうなシナリオが詰まっていて、ゲームの進行は正に連続ドラマのような話数形態で展開される。
悩みを持っているのはなにも生徒だけじゃない。同じ学年の教師仲間も魅力的なキャラクターとしてストーリーのメインに参加する。大人の立場と子供の立場を通して見えてくる人と人との関係。人間ドラマがこのゲームの一番の魅力だった。
キャラクターはドラマと同じように実写なのかと誤解しそうだがアニメ絵。特別版のジャケットになってから、それが強調されるようになった。金八先生もいないしゲーム内容をよっぽど的確に表している。
そして一般的なテキストアドベンチャーのような立ち絵ばかりでなく、挿入されるアニメーションが多いのも本作の見どころ。キャラ造形を見れば分かるように動かすことを前提にしたデザインだと言える。キャストはマウスの声優。
1話から女子生徒にもてて、その後も次々に中学生の嫁候補ができたり、副担任は若い女の先生だし、美少女ゲーム的な要素も少し感じられるので、実際アニメ好きにおススメできると思う。
あ、でもエッチなのは一切ないから。
このようなマップ画面で誰がどこに居るか分かる。1日にだいたい4回まで人に会うことができる。
【感想】
1周目では最良のエンディングには到達できない。それで2周目に突入することになる。このゲームは映画やドラマに似た形式を取ってはいるが、全貌を知った上で狙って介入することで新しい側面が見えてくるところがゲームとして優れている。
2周目は同じ時系列で別の事件が並行して展開される仕組みになっているのだが、プレイヤーは生徒の人物像をある程度把握しているという違いがある。1周目では全部の生徒が取り上げられないので消化不良感があったが、2周目以降で補完されるようになっているので、それは混乱を防ぐための親切なのかもと思えた。
1周目でさらっと転校してしまう高千穂とは何だったのかっていうのは2周目のプレイで分かったり、修学旅行ツアーガイド編では銀平出てこないけど実は裏で拘留されてたんだろうなとか。
2周目からは手に入れたことのあるカードは灰色で表示される。カードの並びを見て手に入る期間を予測し穴を埋めよう。
このカードの面白いところは、同じ話数のシナリオならザッピングを使って別シナリオの関係無いカードのリアクションが見れるとこ。
体育祭で貰える7話の「ふえるくろぐろ」を7話の映画と病院の先生に使って嫌がらせするとか、ザッピングじゃないけど8話の「プロポーズ」を女子生徒に使いまくったりしたの楽しかったな。
ただ時間制限があるので無駄な事をするのは3周目以降になるんだろうけど。
才能開花を埋めるのも割と忙しかったからね。
あれはあれで生徒たちのキャラクターの掘り下げになってたけど、作業的ではあった。
関係無い選択肢や、あえてバッドエンドに進ませる遊びはサウンドノベルを遊ぶ際の毎回の楽しみであり、その要素は本作においても健在であったということです。
2話の締めで太陽君に対する決め台詞として「よろしく」を出したり、3話で旅行中なのに太陽君に「明日は修学旅行」をしつこく出し続けたりできるの好き。
ED曲の入りが感動的で、毎話締めがさわやか過ぎて良い。話の結末と曲が合いすぎて上戸彩の「贈る言葉」大好きになった。タイムマシンのような音のリズムが懐古的でノスタルジックな感傷を引き連れてきてくる。
曲との相乗効果で達成感、やり終えた感が凄まじい。そして直後の次回予告を見て興奮し、ずるずると続けてしまうのだった。
金の栞まで遊び終わって25時間。オマケとして存在する「大人たちの長い夜」は最後まで取り上げられなかった音楽と保険と教頭も そこそこ活躍します。
ここでは応答として、全く関係ないカードを使うことでリアクションを楽しむという、これまでのチュンソフトにもあったボケ倒しのセンスが凝縮されてたように思う。
「決戦激戦体育祭」での教師たちによるリン子先生の貞操の取り合いも面白かった。体育教師の下着がどうのこうので、騎馬戦に負けるとリン子先生が退職してゲームオーバーっていうふざけた話だった。社会教師の立て篭もりとか私はふざけた話が好きみたいだ。
いや、感動話の合間に挟まれるバカらしい話が好きなのかな。
ふーにゃん なんかはお嬢様口調でキャラ立ってる割に出番が少なくて寂しかった。
ゲームなのでクラスはクセのある生徒だらけで、どんなキャラなのかが楽しみになって、謎多きこの女生徒は何者なのか?そんな動機もありつつ、このゲームに没入していたものです。
完全版で、ふーにゃんと社会教師の話と、チビ太と竜二とロボの話が追加された。
そしてゲームを終えると副読本としてアンソロジー小説まで読んでました。
1冊は主人公のキャラ設定が濃いらしいので敬遠して他2冊を読みましたけど読んで正解。まあキャラの掘り下げとして意外だったり嫌な面もみせられはするけど、期待通り面白かった。
かまいたちストラップもインパクトあった。SEまで かまいたち。
金八先生の声はもちろん武田鉄矢。タイトル画面で話しだすので中断させると面白かった。
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