ガンダム小説本紹介その3 シルエットフォーミュラ―
知っているか。シルエットフォーミュラーの小説を。
掲載誌は模型情報の1992年6月から1993年1月までの全8話。
シルエットフォーミュラーはマンガの方が単行本にもなっていて有名で、Gジェネもマンガの方を基にしている。とはいっても小説版とマンガ版が大きく異なるわけではない。その微妙な差を見比べてみよう。
1.遭遇
UC123年2月
月の裏側でトキオとケビンのテスト出撃中にダークタイガー隊と交戦する。
マンガ1話と同内容。
2.陽動
ダークタイガー隊との再戦。
今度はカールも含めた3機で出撃する。
トキオがモーリス少尉のデナンゾンを撃墜する。
ここはマンガ3話あたりの話。だが戦闘内容が違う。
ヘビーガンの試作には5年掛かっている。シルエットF91のフレームはヘビーガンからの流用している。F90の完成は111年である。
アイリスの父親ウィリアムはMSA-120のテストパイロットであり試験中に死亡している。
マンガの絵だと、この事故を起こしたのはジェガンの別バックパックだった。
3.封鎖
2話での戦闘が継続している。
シェフィールド大尉のベルガバラスにマークされたトキオ。相手とは腕の差があったので、シルエットガンダムのバランス調整を切った高機動でブレイウッドに帰投する。
ダークタイガー隊は撤退。
ブレイウッドは身を隠すために荒廃したコロニーに入るとレイラのギラドーガと遭遇。
マンガ3~4話に相当。小説の方のレイラは最初から友好的だった。また、小説版だとシルエットガンダムが逃げるだけといったようにヒロイックな行動をとらない。
4.友好
コロニーにはシャア動乱のジオン兵の生き残りが100人住んでいた。
その中のレイラの父アデルとカールが知り合いで、上手くことが進む。
ブレイウッドは外の敵を警戒してコロニーから出られずにいる。
そんなこともあり、レイラに最新MSを紹介していた最中にダークタイガー隊を察知する。
そしてレイラが勝手にハーディガンで出撃する。ケビンがGキャノンマグナで追うが整備中の機体であったため被弾してしまう。
ここからマンガと大きな違いが出てくる。
マンガだとレイラの両親は死んでいて、コロニーの住人はクロスボーンと内通していてブレイウッドと敵対関係だった。
5.突破
敵MSはレイラが撃退するがケビンは重体であった。このため、レイラがケビンの代わりとしてアナハイムに臨時雇用される。
トキオは(ネオガンダムの)コアファイターでフォンブラウンまでネオガンダムを受け取りに行くことになる。
21歳のトキオでも軍の実習にトリア-エズが使われていた設定。コアファイターの操縦はトリアーエズとほぼ変わらないそうだ。
いうまでもなくネオガンダムの入手手段が異なる。そしてネオガンダムは1機しか登場しない。
ダークタイガー隊の母艦名はザムスゼナ。残りの戦力はMS4機。そしてヴェスバーのAMBACテスト中だったビギナゼラも1機いる。シェルフとザビーネは親友だった設定が語られるのは小説版。
6.進宙
トキオは無事ネオガンダムを受け取る。と唐突に現れたバズガレムソン中佐から一方的に命令を受けるのだった。
ネオガンダムの型番RX-99はF91を超えて欲しいから99と付けられた設定。
ネオガンダムは胴体内にサブジェネレーターを積んでいて、コアファイターのジェネレーターはGバードに使用される。
7.特殊部隊
ガレムソンによるとトキオのテストパイロットの任務は終わって、ネオガンダムの専属パイロットとしてガレムソンの部隊に配属されたようだ。ガレムソンの部隊は反地球連邦運動を弾圧を目的としていて、クロスボーンと協力してネオジオンの残党狩りに向かうところだった。
自分たちが踊らされていたことに怒りを抱いたトキオは無断でネオガンダムを出撃させる。そして哨戒中のヘス大尉のヘビーガンと交戦する。
8.制裁
ヘビーガンはシェフィールド大尉のビギナゼラによって撃墜された。
彼はクロスボーン側も連邦政府に嵌められていたこと、これからガレムソンに攻撃を仕掛けることを告げトキオに退避を促す。トキオはそのままゼブラゾーンのブレウッドへ帰り、アイリスから事情を聞く。
今回の事件が起こった経緯は、実戦データが必要だったCV軍に、極秘で行うシルエットガンダムのテスト場所を教えて、偶然を装って戦闘させたというものだった。
連邦政府としても連邦軍の新型MSの実践データが必要だったので、ダークタイガー隊もろとも口封じのためにブレイウッドを全滅させる予定だった。それをネオジオンが暗号通信の解析で知ってザムスゼナに伝えたということだった。
場面は飛んで、SFプロジェクトはその後も続けられ、テストデータを反映したシルエットはシルエット改に改装、ネオガンダムの運用テストも開始された。第1部完。
最後は矢継ぎ早に解説が行われ、なんとも打ち切り風味な終わり方だと感じた。
小説の方ではガレムソンとトキオは戦闘しないどころか、クロスボーンに任せて帰ってしまう。ヒロイックな活躍をしない小説版。
その後、ガレムソンとシェフィールドがどうなったかは不明。
第2部はまだかなー?
・ネオガンダム関連用語のブレ幅
G.B.R.D.と開発コードAFXのことだ。
プラモデルのインスト設定だと
『ジェネレイテイブ・ビームライフル・デバイス』
『アナハイム・フォーミュラ・エグザミネーション』
小説版SF91だと
『ジェネレータ・ビームライフル・デバイス』
『アドバンスド・フォーミュラ・エグゼミネーション』
となっている。
マンガ・小説とも異なる第3の設定、プラモインスト版シルエットフォーミュラーも存在
そこではとても簡潔にストーリーの要約がされている。
要約なので差はないかと思われたが、気になる点があった。
コロニーでネオジオン残党と接触するまでは同じだが、その後協力してコロニーから脱出しようとしたけど、CV軍の包囲を突破できたのはブースター装備型シルエットF91だけだった。そのシルエットもCVの攻撃で大破してやっとのことで月に辿り着く。そこでネオガンダムを受領して再出撃する。ここまでで終わり。
シルエットガンダム改はシルエットフォーミュラーのストーリー上には登場しないといっていいほど、立ち位置が不安定なMSだ。小説版だとコアファイターでアナハイムへ向かうのでシルエットガンダムは破壊さないままで改修を受けたことになるはず。この存在感の無さでよくプラモ化したなと。
ついでにホビージャパン連載のF91-MSVのまとめ。
92年5月
F91-MSV①
UC123年1月21日
テストパイロット ジョン・スコット大佐による報告
サイド4でテストプログラムをこなすF91。F91はオレンジ色主体のテストカラーでフェイスオープン機能が間に合わず簡易的になっている。
ベルフが乗っていたF91の外観はどうみても完成済(ry
92年6月
F91-MSV②
UC122年12月25日
連邦軍17小隊ナイトウイングス カール・ビッター少佐の報告
オーストラリア北東に拠点を持つネオジオン残党の7機のMSを小型MS3機で全滅できた。この戦闘はハーディガンの実戦テストに利用され、公式的な記録からは削除されている。
92年7月
F91-MSV③
UC122年8月26日
SFP副主任 ユング・ヘルベルトの日誌
シルエットガンダムの連邦軍へのお披露目が終わって、これから若いパイロットによる試験運用が始まる。
92年8月
F91-MSV④
UC123年5月30日
デイリー・サンズ
SFPの成果の一つハーディガンは20種類以上のバリエーションが提案された。124年10月までに4000機の生産を見込んでいる。
RGM-111G クロスコンバットタイプ
RGM-111R 偵察タイプ
RGM-111C 中距離支援タイプ
92年9月
F91-MSV⑤
UC122年12月
AE開発部 ロバート・ワイングラードの手記
ビギナシリーズの試作機は2機同時に作られ、サイド4周辺でてすとを行った。ビギナゼラは一般民衆に取り入るためにガンダムを模して造られた。ビギナゼラとシルエットガンダムのヴェスバーはコンデンサが無いためジェネレーターから独立すると撃てないが、AMBACとしては本家より優秀である。
92年11月
F91-MSV⑥
Gキャノンマグナ
特にストーリーなし
ちなみに1993年の1月と3月の表紙がネオガンダム。
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