【SFC】フォーミュラー戦記0122 の情報
ゲームタイトルこそ『ガンダムF91』だけど、何も知らない初見の人がこのゲームをプレイすると戸惑うことだろう。
なぜならこれは最初から最後までゲームオリジナルキャラによる完全オリジナルストーリーのゲームで、僕らの知ってるガンダムF91とは違うものだからだ。
その位置づけは、プラモ企画のF90と劇場アニメ作品のF91の間を繋ぐものであり、半数以上のステージはF90だけで進行することになる。タイトルになっているF91の出番も少ないのかよ。
まあ、劇場作品の時代がUC0123であることを知っていれば、ゲームタイトルの『フォーミュラー戦記0122』を見て、一年前が舞台の作品なんだな。ってなるよね。ならんわ!
ゲームシステムはターゲットレンジに敵を収めて、確率で当たるまで攻撃を連打する戦闘パートと、味方の戦艦と敵の位置を考慮して自機を移動させるシミュレーションパートにより構成されたゲーム。
「機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記 0122」
スーパーファミコン
発売日:1991年7月6日
開発会社:ノバ(竹矢)
ジャンル:特殊(ストラテジーに近い)
ステージ数:12
セーブ箇所:1
中断セーブ不可
資料価値 5
クリア時間 2
クリア難度 3
個人的好き度 2
・劇場作品ガンダムF91の前日譚で、他の外伝作品と違って未だにGジェネで再現されていない。キャラクターデザインは川元利浩によるものでガンダム0083と時期が近いため比較してみるのも一興。あとベルガダラスのシェルフノズルが武器として使用された初出。エピオンの電撃と合わせてガンダムゲー3大捏造の一つ。この作品が冷遇されがちなのは122年という時代もさることながら開発会社の違いもあるんじゃないかな。
・所要時間は1ステージに30~60分ほど必要。ストーリーデモを除くクリアまでのプレイ時間は約7時間。
戦闘は選択肢を選んだあと映像を眺めるタイプで、ライフルやSキャノンはともかく、ヴェスバーやバズーカのようにアニメーションが2段階になっているものは少し間が気になる。中断セーブが無いのでゲームオーバーになることで無駄になる時間は大きい。
・全ステージの敗北条件に母艦の撃沈と味方部隊の全滅がある。後半ステージから敵が固くなる都合上、戦闘が長引くことで味方に被害が及びやすい。このゲームの難しさはそこに集約されていて、いかに早く戦闘を終わらせられるかが勝利の鍵といえる。中断セーブが無いのも地味に痛い。
何度かクリアしているが、苦戦しなかった思い出もあるので運の要素が強いゲームだといえる。前半は難なく進めたが、後半で2回ゲームオーバーを経験した。
・レーダーを見て敵をロックオンする方式は、珍しい戦闘システムなので第一印象として面白そう。思うようにターゲットレンジ内に敵がすっと入っていくと気持ちいい。挿入されるアニメーションはかっこいいし、想像するよりテンポは悪くない。撃破した時のエフェクトや効果音のおかげで爽快感と疾走感がある。戦闘中は忙しなく操作することになるので没入感もそこそこ。
不満点と言えば、どう戦っても成長度合いが変わらないので戦術の幅が狭いこと。マスクデータが多すぎて適切な武器の使い分けができないこと。
「行けっフィンファンネル」
【文献からの引用】
・成長について
取説8p
"武器の使用頻度や戦う状況によって成長の度合いが変化するのだ。"
"ガンダムの成長は各装備の使用頻度によって変わるので、様々な装備を用いた方がレベルアップもしやすくなります。"
取説11p
"「F90」の戦闘データをもとに「F91」は仕上がってく。君の「F91」はどんな性能のMSに仕上がるのだろう。"
K社本44p
"武器を使う能力が成長すれば、命中率も威力もあがる。"
K社本43p
"ちゃんと成長していれば、はじめからマシンガンやヴェスバーが使える。"
検証した結果、一切戦闘せずに進めたデータでもマシンガンとヴェスバーは使えた。
ステータスの成長値は完全固定だった。一切戦闘せずとも成長はする。
唯一成長させることができる要素として、AタイプとDタイプで出撃させれば武器が増える。
・命中率について
取説12P
"全体に正面(中心)に近い方が命中率は高い"
B社本79p
"全体的にレーダーの中心に近い方が命中率が高いので、充分に引き付けてから攻撃をして下さい。"
K社本30p
"ガンダムの武器は、正面に近いほど命中率が高い。"
敵との間合いは近中遠の3パターンだけではない。実際には12段階の距離になっているので、直線距離でいうと正面に位置していた方が距離が短いということが言いたかったのだろうか。左右に対しての補正は特に存在しない。
・命中率について2
B社本75p
"弾数制限のある武器は、弾数無限の武器より命中率が高いのよ。"
B社本80p
"ガンダムの武器には、弾数の限られたものが多数あるけど、これらは命中率の高い武器が多いようね。"
K社本44p
"実弾系の武器は威力はあまりないが、命中率はわりとよい。"
適性距離の最大命中率に関して言えば、ビームより実弾の命中率が高いというのは正しい。
しかし距離ごとの平均値でいえば話は異なる。例えば中距離だとライフルとマシンガンの命中率は僅かにライフルの方が高く、遠距離だとロケットとヴェスバーの命中率は同じ。あと4種類の中ではDタイプ自体の命中値が一番高い。
【武器】
■見た目で判断できる3段階での平均を比較
近距離命中トップ3
クラッカー179/ ダメージ平均86
バルカン146/ ダメージ平均59
サーベル84/ ダメージ平均58
中距離命中トップ3
Sガン149/ ダメージ平均91
ライフル128/ ダメージ平均136
マシンガン125/ ダメージ平均112
遠距離命中トップ3
グレネード136/ ダメージ平均141
ロケット130/ ダメージ平均138
ヴェスバー130/ ダメージ平均192
ビームと実弾の区別はエネルギーが消費されるか弾数が消費されるかの違いだけ。バルカンとマシンガンとSガンはビームシールドで防がれることがあった。実際に与えるダメージはMSの攻撃力を足したものになり、敵の防御力、乱数の幅はない。
こちらの攻撃時に低確率で一撃死が起こる。
間合いも武器も関係なく一定の確率で発生。
余談になるが、F90のMタイプとHタイプ装備、ラスボス?のグランザムは開発途中で没になっている。そこから推測するに、没になったのはこれらだけではないのだろう・・。
【ステータス】
HPは512
燃料は8192
これらは最初から最後まで一定で、全ての装備で共通。
戦艦に帰還することでHPは128だけ回復。燃料は全回復。
別装備に換装した場合はHPも全回復。という変な仕様。
MSのステータス上昇値は固定で能力は全部上がる。
ただしAタイプとDタイプの武装は、毎回一度は出撃させないと増えない。
1ステージクリアする毎に
スピード+8
防御+8
攻撃+4
命中+8
消費-8
・最終話のステータス
Aタイプ | Dタイプ | VタイプとF91 | |
スピード | 188 | 172 | 180 |
防御 | 104 | 144 | 124 |
攻撃(マスク) | 45 | 92 | 68 |
命中(マスク) | 52 | 60 | 56 |
消費 | 120 |
167 |
143 |
スピードというのは自機の移動速度、つまり敵を動かす速度。防御はそのままダメージから減算する。同様に攻撃はそのままダメージに加算される。命中は武器固有の数値に加算して判定に使う。消費は移動してる時のエネルギーの減り具合に影響する。
マップ上の移動力はDタイプだけ低い。このゲームにおいては致命的な弱点といえる。
SゲルググのHP1024
ベルガダラスのHP 隊長機768/一般機512
デナンゾンのHP 隊長機512/一般機256
ザクのHP 隊長機256/一般機256
ゲルググ256
赤ゲルググ256
ズゴック256
グフ256
ドム256
スノードム256
隊長機を撃破すると敵の攻撃頻度が下がるように感じた。詳しくは調べていない。
【プレイ記録】
緩くF90Aタイプのライフル使用縛りで。
st1 時間未計測 13機撃墜
st2 30min 22撃墜
st3 30min 23撃墜
st4 35min 29撃墜
st5 25min 27撃墜
st6 25min 26撃墜
(ここでVタイプ受領、使用可能になる。)
ズゴックに撃墜されゲームオーバー1回目。
ここまで自機の体力ゲージの見方を知らなかった(忘れていた)。敵と同じように赤くなっていくと思っていたら、ずっと白いままなんだもん。これは自分の中だとノーカンなんで。
st7 20min 24撃墜
st8 30min 39機撃墜
st9 25min 32撃墜
(ここでF91受領、使用可能になる。使ってません。)
st10 45min 36撃墜
エイブラム撃沈してゲームオーバー2回目。
ベルガダラスが固いからオペレーターから注意を受けたものの、守りに行く余裕が無かった。
st11 70min 46撃墜
味方小隊全滅でゲームオーバー3回目。
おまえらも機を見計らって帰還しろよと。自分だって無補給で戦ってるわけじゃねーんだぞ。
2回目でクリアするも戦艦と自機が瀕死の満身創痍状態。場合によってはクリアできなさそう。
言いそびれたが、敵味方の初期配置は全マップに4パターンずつある。ものによっては、もちろん難易度も変わってくる。今回は意識しなかったが、リセットするのも一つの手だろう。
st12 60min 54撃墜
シャルルを倒しても台詞なし、イベントなし、勝利条件でもない。
シャルル専用ゲルググはビームライフルとSキャノンで攻撃された時のモーションが他のMSに比べて凝っていて、これで撃墜できるとかっこいい。
サーベルとは別に存在する『シールド』はこういう武器。
ということで私のベルフの撃墜スコアは341機です。野暮なことはいうまい。
【ストーリー】
主人公は連邦軍人のベルフ・スクレット19歳。
UC0122年
2年前に火星で壊滅したと思われていたオールズモビルが活動を再開。これに対し地球連邦政府は掃討部隊を編成して各コロニーの調査を命じた。第13艦隊所属エイブラムはOM掃討部隊本隊へF90を輸送する任務を受け、いまサイド4から発進するのだった。
ACT.1 始動 F90
既にOMと交戦を繰り返しているエイブラム。
航行中にOMのケザン隊と戦闘。
愛機のジェガンを失ったベルフはF90で出撃して戦果を上げる。
ACT.2 ラグランジュポイント
シャルル艦隊と交戦。
シャルル艦隊は撤退。
ACT.3 ケルンコロニー
逃げ込んだOMを掃討するためにサイド1のケルンコロニーに到着したエイブラム。
OMの大尉を捕虜にする。
ACT.4 重力の底へ
衛星軌道上の本隊と合流したエイブラム。
テルスト大佐に戦闘データの有用性を認められたベルフは引き続きF90のパイロットを任される。
本来のパイロットであるワイルダー中尉からは敵意を向けられる。そりゃ同情するわ。
シャルル艦隊との戦闘後、OM地上部隊掃討のため地球へ降下する。
ACT.5 砂漠の嵐
降下した直後にOMから奇襲を受ける。
ワイルダーから認められるベルフ。
姿が見えない恋人のアンナフィルが気になる。
ACT.6 太平洋防衛戦
空母ガーウィッシュにVタイプの換装パーツがあった。
海上のOMと戦闘。
地上のOMはほぼ全滅したことになるが、別の組織の活動を確認して宇宙へ戻ることになる。
ACT.7 雪山の中
ガーウィッシュのエンジントラブルで雪山に不時着。
その隙を狙ってOMが攻撃。
エンジンを修復して再び宇宙港へ出発する。
まだアンナフィルが気になっている。
ACT.8 宇宙へ
ようやくアンナフィルが戦死していたことを知る。
シャトル発射を阻止せんとするOMと戦闘。
シャトルを護衛するためにワイルダーは戦死。
ACT.9 シャルル艦隊 壊滅
エイブラムと合流。ベルフはF91を任される。
クロスボーンという組織が月の公転軌道上に基地を作っていることを知る。
シャルル艦隊とクロスボーンが強襲。
しかしシャルル艦隊は撤退。
ACT.10 クロスボーンバンガード
クロスボーンと交戦中の連邦艦隊を援護する。
敵の中には唯一のゲスト出演である鉄仮面の姿もあった。
ACT.11 嵐の始まり
デハーヨ大佐に占拠された月面のマスドライバー基地を解放する。
ACT.12 永遠の闇の中で
建造中の要塞基地へ攻撃する。
CV基地司令はシャトレイ。シャルルは新型MSを受け取り出撃する。
シャトレイは連邦軍は全て引き受けたといって別部隊への礎となる。
エイブラムはF91の最終調整のためにフロンティア1へ向かうのであった・・。
This is the only beginning of the only beginning.
【手抜き】
F90でビームライフルを使うと必ずDタイプのグラフィック。
F91で格闘攻撃を受ける時F90のグラフィック。
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