ガンダムEXA ストーリーまとめ
「ガンダムエグザ」はときた洸一による漫画作品で2011年7月からガンダムエース誌上で連載され、単行本7冊で完結した。
ガンダムエース10周年記念企画ということで、別世界へ行き来できる主人公が、過去に連載された数々のガンダム世界へダイブして戦闘経験を積み重ねていくというコラボレーションが特徴。
しかし人の作るものであり、他人のキャラを動かすのには気を遣うのか、ときた洸一自身の作品であるアストレイと00Fのキャラだけ他よりも活躍の場が多い。結局は自分のフィールドでお茶を濁したなという部分があった。
直接的な続編に「ガンダムエグザ ブイエス」というのもある。
舞台は木星付近の宇宙ステーション「ジュピター10」
ここには「GAデータ」という仮想世界のデータが複数保管されている。このデータは誰が何のために作ったかは分からず、外部から解析することもできないという。GAはジェネラルアンサーの略。
幾度かの戦争で人類は滅亡の危機にあり、この窮地から脱する方法を模索している。そこでGAデータの中の人類を参考にして、戦闘の中から進化の道を見つけ出すというのが主人公たち「Gダイバー」の目的。人類を進化させることができれば戦争を回避できるという結論が根底にある。Gダイバーは地球から木星へ派遣される。主人公「レオス・アロイ」もまた木星へ派遣された新任のGダイバーであった。
戦闘を行うための適切な場所と時間の調整を行っているのが「セシア・アウェア」という立体映像の女性で、ジュピター10内の全てのGダイバーに対して同時に並列処理で対応している。それぞれのGダイバーの好みに合わせて外見を変えてやる気を出させるという手法を用いるが、明らかにレオスに対して身を入れていて、この二人の関係性も見どころのひとつになっている。
データ世界への潜入時のルールとして、ダイブした世界に大きな影響を及ぼすことはタブーとされている。
データ内で戦闘を行うときは、その世界で使用できるMSを毎回探す必要があるのだが、世界への影響を考慮したという理由で外伝のMSが用いられることが多い。また対戦相手に関しても同様の理由で外伝のキャラであることが多い。
GダイバーがGAデータから帰還すると、彼らの与えた影響は仮想世界の中から消えてなくなり、痕跡が残らないようになっている。しかし大きな影響を与えてしまうと歴史が変化してしまう恐れがある。
原則として同一データに二人以上同時にダイブすることは禁止されている。
仮想世界の出来事であっても、そこで死亡してしまうと精神に負担が掛かるため、本人にも危険が及ぶ。
セシアはダイブすることもできなければ、ダイブ先の状況を知ることもできない。
●1巻分
1戦目はSEED外伝から叢雲劾との戦闘。
実力に差があってレオスは勝つことはできなかったが、劾には殺意がない という理由から、負けた後もちょうどいい練習相手として度々利用することになる。
2戦目は00外伝からフォン・スパークとの戦闘。
先任のGダイバー「キース・オルス」はフォンに敗れて拷問され精神に影響をきたしてしまう。
彼の尻拭いとして同じデータに飛び込んだレオスも同じくフォンに敗れ拘束されてしまう。その際フォンにはキースと会った時の記憶は残っていないはずであったが一瞬でレオスが別世界の人間であることを看破する洞察力の高さを発揮した。そしてレオスが今後習得するであろう別世界の戦闘技術に興味を示して再戦を希望して見逃すのであった。
3戦目はドモン・カッシュとの戦闘。レオスは外伝に登場するヤマトガンダムで戦闘をした。
ここで初めてGAデータ内で生活している諜報部員「エグザクター」が登場。エグザクター「ローカイ」の協力でドモンと対戦するタイミングを得る。
一方その頃
古参GダイバーのイクスはGAデータからの情報を得てエクストリームガンダムを開発させていた。
イクスの回想でアバオアクー戦のデータにガンダム7号機で暴れまわってデータを破壊したことでルース・カッセルの生存ルートが無くなったことになってた。
巻末の用語集より
キースは第6ダイブルーム、レオスは第10ダイブルーム、ピーニャは第13ダイブルームを使用している。それぞれのGダイバーが顔を合わせることはない。
●2巻分
ガンダムWの世界では戦いが繰り返されながら人類進化は引き起こされなかったとされている。それはそれで興味深いという理由で今回のダイブに至る。対戦相手はヒイロ・ユイで、使用MSは外伝のジェミナス没装備。
新任のピーニャも同じ世界にダイブしてデュオと戦闘する。
MO-Vでメカニックをしていたディック・ヒガサキはエグザクターとして存在している。それってこの世界の人間ではないということ?
イクスは完成したエクストリームガンダムのテストと称してレオス達がダイブしてるデータで暴れだす。
シェンロン、サンドロック、ヘビーアームズと立て続けにレイプして行き、ついにはヒイロと交戦中のレオスの前に現れる。カルネージフェイズ相手に対して苦戦するレオスとヒイロ。そこにデュオが加勢することでダメージを負わせることに成功する。あとピーニャがレオスを強制的にログアウトさせて助けた。
ちなみにエクストリームガンダムはGAデータ内の物質から構築されて出現するのでどの世界にも現れて介入ができる。特に理屈が説明されていないがイクスはダイブ中の他のGダイバーの行動を遠隔で観測することができる。セシアよりも大きな権限があるという設定だろうか。イクスは主に観測能力をセシアのストーキングに使っている。
5戦目は強化人間に関する情報を得るためにギレンの野望のキャラクター、ゼロと接触を試みる。使用するMSはスターダストメモリーの本編には出てないガンダム4号機で、ダイブした先にはブルーディスティニーのマリオンがクワトロと一緒にいた。とてつもなくカオス展開。
話を付けてゼロと模擬戦を行うレオスの前にブルーディスティニー3号機改というオリジナルMSに乗ったマリオンが乱入する。
マリオンの目的はゼロに宿ったエグザムの痕跡を消し去ることだった。
一方その頃、マリオンについて調べていたセシアは、マリオンとゼロの戦闘の結末が悲惨なものになると知る。想定以上の危険度を持つミッションが選定されていたのはイクスによって操作されていたためであると思い至り、レオスを守る為にピーニャを宇宙世紀に送り込む。
ピーニャによって届けられたエクストリームガンダムtypeレオスに乗り込んだレオスは、ドモンから得た格闘技術からゼノンフェースへと進化させた。何の説明も受けていないのに。続く。
●3巻分
レオスの活躍でゼロとマリオンはどちらも生き残ることができた。GAデータは大きく歪むことになったが、そもそも歪んでいたので結果オーライな感じだった。ゼノンフェースになるとレオスの性格まで激しくなるのはノリとかじゃなくて、そういう設定があるようだ。
イクスはピーニャを呼び出してゼノンフェースの戦闘データを抽出してタキオンフェイズの開発に利用する。
6戦目はソレスタルビーイングが相手。西暦世界のなかでも影響の少なそうな2期終了から劇場版までの間の期間を狙う。
今度はタキオンフェイズのテストなのか、イクスは世界の影響お構いなしにロックオンをレイプ。そのまま刹那と交戦中のレオスの前に現れる。その支援に現れたのはティエリアのラファエルドミニオンズ。
ここでイクスはレオスを庇う行動に出る。MSが損傷したことで先にひとりで帰還した。
理屈としてはイクスが世界を大きく改変させ、残ったレオスは世界の異変を止める義務感に駆られる。そのままGAデータが崩壊すればレオスも一緒に消えてしまう。一方ピーニャはオリジン世界へダイブ中。ダイブはMSのコクピットを経由して行われ、コクピットに入らなけれ帰ることができない。つまり帰る手段が限られためんどうなミッションに送られていてレオスの助けには出せない状況を作ったということらしい。なんて回りくどい陰険な男か。
このエピソードのオチはダブルオーライザーが意識共有領域を作り出して敵意が無いことが伝わり収拾がつく。個人的に不可解な話だった。
巻末の用語集
ハロ
それぞれのダイブルームに1機ずつ用意されているセシアのサポートメカ。GAデータ内で聞いたセリフを発する。
●4巻分
完成したエクリプスフェースを使ってレオスとピーニャが模擬戦を行う。
ピーニャの機体はデストロイガンダムのリンゼイ機。エクリプスフェースに乗るレオスは髪で片目が隠れる。性格までクールになったレオスをピーニャは絶賛する。
7つ目のダイブ先はクロスボーンガンダムの世界。堂々とドゥガチの前に表れて、お願いして部下になった。目的はバイオ脳のデータを取ることでディビニダドと戦闘する機会を伺っていた。経験値を稼ぐために1人だけで戦おうとするレオスだったが、トビアからドゥガチから学べることなんてないと説得されて最終的に二人でディビニダドを破壊する。バイオ脳からは学べなかったがトビアとの会話に得るものがあったという結論に至る。
同時期にピーニャは劾との戦闘任務を行っていた。目的はレオスの行ったダイブについての再調査であった。そこで劾とを話したところ、レオスが進化している可能性と、持たざる者が嫉妬してレオスの排除に走ることまで予測した。
その言葉通りにイクスはレオスの航跡を辿ってフォンと戦闘を行っていた。前回同様に瞬間的に状況を正確に把握しまくったフォンはイクスが女性関係でレオスに負けていると挑発。イクスは「お前が死んでも世界は変わらない」と嫌味を言い浅くコクピットを斬りつけて帰っていった。フォンは血まみれではあった。帰る際にレオスとフォンの声が似ていて不愉快だと感想を漏らすメタネタが仕込まれていた。
一方セシアは進化したレオスに向けたアイオスフェースの設計を進めていた。そして完成のためにコズミックイラの種を持つ人物のデータを必要とする。しかし重要人物との接触は避けなければいけないのでレオスは再び劾に会いに行く。
同時期にイクスはアムロと会話すればいいのかと思いついて、アムロがガンダムに乗らずに単独で行動する隙を狙ってララァのいるコテージに現れる。全く動じないララァから「お前にはまだ早い」的なことを言われて素直に帰っていくイクス。
・出てきた固有名詞
ヴァリアブルサイコライフル クロスバスターモード
ブラスターカノン
空間制圧兵装 エクリプスクラスター
規格外拠点兵装 カルネージストライカー
投射式ジャミングシステム
エクリプスフェースで技名を叫んでるのはクールじゃないと思う
●5巻分
ストライクフリーダムとレジェンドの戦闘を眺めるレオス。直接戦えるほどの技量は持っていないとして交戦を諦めて帰る。
というか劾を経由した意味が腑に落ちないのだが。
レオスのミッションの再調査を継続中のピーニャはフォンと戦いに行くが、イクスが干渉したことで、既にデータが歪んでしまっていた。イクスの記憶が無くても自分の致命傷から完全に事態を察したフォンによって拘束されてしまう。
イクスはテキサスコロニーで再びララァと接触。そこでララァから誘導されてニュータイプの感覚を習得する。そのデータをフィードバックしてイグニスフェイズを完成させるのだった。ララァの性格が積極的すぎる。
急にララァに入れ込みだしたイクスは出撃前のララァの元へ行き、このままだと死ぬからアムロを始末しようと提案して拒否される。構わずアムロに攻撃を仕掛けたイクスだったが、ガンダムとエルメスからも攻撃を受けて呆然とする。
ピーニャの帰りが遅いことを心配して西暦にダイブしたレオスはいきなりPMCから襲われる。フォンの仕組んだ罠だった。
そこにイクスが登場。進化した存在と戦う必要があると言ってレオスに戦いを挑む。
その経緯を監視していたフォンは自分を傷つけた相手がイクスであると特定。フォンは記憶を残すためにわざとイクスの攻撃を受けたに過ぎなかったのだ。ここで直接手は出さずにピーニャの記憶にウィルスを移植するという方法でジュピターXに持ち帰らせた。
このウィルスによってジュピターXの管理コンピュータと西暦のヴェーダの間にリンクが形成されて、そこからフォンとハナヨのデータが送信された。ホログラムデータとしてジュピターX内部に顕現した二人は次々と管理権限を書き換えていく。
イクスは このリンクを絶つためにダイブルームを破壊。ピーニャ用の13ダイブルームだけが残った。イクスの配慮でレオスでもピーニャ用のダイブルームが使用できるようになって、西暦世界へヴェーダ自身によるワクチンプログラムを取りに行くことで事態は落ち着いた。
ただしフォンのデータの削除まではできず限定したエリアに封鎖しておく。
・固有名詞
ザアサルトフォーム
インフィニットチェイス
フォンとハナヨのジュピター10衣装デザインは本家デザイナーの描き起こし。
●6巻分
フォンの起こした事件によって破壊されたデータは、エグザクターとしてコズミックイラに赴任していたプロフェッサーによって修復されアップデートもされた。ホロアクターによるダイブが可能になって喜ぶセシア。
ターンAの正暦世界が偶然にも発見された。8つ目。
レオスがロランの元に行っているのと同時期にイクスもダイブしていて、ターンXの発掘を手伝った後、月光蝶をコピーした。そしてギンガナムに頼んで月のマウンテンサイクルからミストペガサスを掘り出してもらう。またイクスのせいでデータが崩壊の危機に陥ったので、レオスがそれを止めに行く。イクスのエクストリームガンダムは掘り出したモビルホースと融合してミスティックフェイズとなって絶望蝶を披露する。
この馬については何の説明も無いし、物質は持ち帰れないはずだけどどういう扱いなんだろうか。
一方でセシアは月光蝶にも負けない進化形態を設計していた。それを使うことでパイロットにかかる負担を抑えるために自らが正暦にダイブする。ダイブ先のMSガンダムアスクレプオスが置いてあるのは ときた版ターンAのネタ。
セシアの助力により、全ての進化形態をまとめたEXAフェースとなってイクスを打ち破る。
遂にイクスは負けを認めて事態は収拾するが、人数オーバーでダイブオフできなくなっていることに気付く。ここが全ての世界とつながりを持つ正暦であることを利用して、別の世界、コズミックイラへの移動を試みるが、着いた先はアフターウォーだった。9つ目。続く。
・固有名詞
デスティネイトプラン
オブリビオンメテオ
●7巻分
エクストリームガンダムのコクピット内からダイブオフを試みるレオスとセシアであったがパワーが足りないという初出の無理矢理な理由でエネルギーを探すことになる。偶然ガンダムXへ照射されたマイクロウェーブを見つけて、それを使わせてもらうためフリーデンに接触して無事に帰還する。
一方、先にジュピターXに帰還していたピーニャとイクスはプリモからジュピターXの人間は全てデータでセシアだけが人間だったと教えられる。地球の人間はとうに滅んでおりGA計画だけがコンピュータによって無駄に続けられていたということだった。ピーニャはイクスの八つ当たりで解体される。プリモから「これはもうリペアできないよ」と言われるが後に出てくる。絶望したイクスはGAデータを壊して僕の考えた理想の世界を作り始める。
遅れて帰還したレオスもイクスから真実を告げられるがセシアのために働けて幸せだという意見を述べる。
レオスの前にアムロとの決着をつけたいと言って、ソロモン要塞にダイブするイクス。アムロをやっつけようとするがララァに阻止された上に拒絶されてしまう。
その間の時間稼ぎにイクスによって召喚されて出てきて6ページでやられて消えていった伝説のGダイバー、ユウザ。
その後イクスとレオスの対決があって、敗れたイクスは2人に未来を託す形で消えていった。
一方、プリモは密かにジュピターX内のデータを回収していたが、フォンが現れて強制帰還させる。何事も想定通りにはいかないと教えたかったとのこと。で、プリモの行動についてはブイエスの4巻で説明される。
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