ミッシングリンク 漫画版のストーリーまとめ
PS3のサイドストーリーズ用に新規に作られた一年戦争の外伝「ミッシングリンク」。
おおのじゅんじによるコミカライズは単行本4巻構成で、ゲームと同じ内容なのは1巻だけで2巻以降は独自の展開が始まる。
大きな違いとしては、コミック版には年を跨いだ後日談パートが存在しないで一年戦争パートだけでしっかりと完結する。
今回はコミックの方のストーリーを紹介する。
ちなみにおおのじゅんじ氏といえば、後にククルスドアンの外伝やF91の外伝のコミックも手掛けている。安彦良和に似たタッチはガンダムマンガにとても馴染んでいる。
「スレイヴ・レイス」
1話はゲームの1・2話に相当。
不正を働く味方基地を襲撃する話。
トラヴィスが最初からスレイヴレイスに乗っているのがゲームと違う。
「マルコシアス中隊」
2話はゲームのジオン編4話のコミカライズ。
ガンタンクや陸ジムと戦闘になる。
「ジャブローは紅く染まる」
「父と子と悪魔と」
3・4話はゲーム版9話の内容。
ジャブローでペイルライダーと戦闘するエピソード。
3話にしてトラヴィスは息子のヴィンセントがマルコシアス隊に所属しているとこまで突き止める。
ちなみにゲームだと13話で判明する。
この時トラヴィスはスレイヴレイスでペイルライダーに組み付いて脱出、融合炉を閉じた自分のMSをヴィンセントに攻撃させて爆発を起こした。その結果ペイルライダーは右腕が無くなっただけ。なんだけど被害は大きいということで撤退していく。この時、少しだけどパイロットの描写があるのもゲーム版との大きな違い。
5話「裏切り者よ」
ジャブローには自分たちの他にも「ゴースト」という「レイス」と同じ類の小隊もいた。そこにペイルライダーが現れたことが露骨にグレイヴから切り捨てられたことを感じさせて、スレイヴレイス隊のみんなで秘密基地に隠れる。
一方、ヴィンセントはジャブロー戦から帰還後、爆発で飛ばされたスレイヴレイスの破片から自分が持っているのと同じ家族写真を発見してトラヴィスが自分の父親だと確信する。
マルコシアスは宇宙への帰還許可を貰い北米の打ち上げ基地へ向かう。
基地を攻める連邦軍の部隊の足止めを任され、そのまま基地司令ヘッケル中佐を乗せたザンジバルに見捨てられてしまう。
6話「父と子、再び」
交戦中のマルコシアス隊を援護したのはスレイヴレイス隊だった。
この時のトラヴィスの乗機はフルアーマースレイヴレイス。これは漫画版にしか登場しない。改修された経緯は描写されていない。
敵を殲滅させ、協力関係を結んだスレイヴレイス隊とマルコシアス隊。
基地に残った小型シャトルで宇宙に上がることになる。
そこにグレイヴの刺客としてビッグトレーと共にペイルライダーを含むMS部隊がやってくるのだった。
ここから2巻
7話「接触」
ペイルライダーとの戦闘回。
ボマーがグレイヴに対して懇願めいた言葉を吐いたり、クロエの脳波の乱れからニュータイプの存在が仄めかされる。
8話「さらばマルコシアス さらば戦友」
引続き戦闘中。
瀕死のダグが戦闘の途中で皆にシャトルに乗り込むように促す。
ペイルライダーはNTとの接触を避けるために撤退。
シャトルは無事に打ち上って、ダグと共に残ったリッパーがビッグトレーを撃墜する。その後ダグは死亡。
ビッグトレーを撃墜してからシャトルを発射しても良かった気もする。
流れは違えどダグとリッパーが地上に残るのはゲームと同じ展開だ。
9話「月面のエース」
グレイヴを始末するためにマルコシアスと別れるスレイヴレイス。彼らが宇宙に残るというのがゲーム版と大きく違う点だ。さらに自らの手で直接グレイヴに引導を渡そうという流れになっているのでコミック版の方がよりカタルシスのある展開だといえる。
ヴィンセントは別れ際にトラヴィスに写真を返し復縁を果たして再会を誓う。
12月14日 チェンバロ作戦発令
ここからはペガサス級艦フォレスタルの所属となったペイルライダー視点が入るようになる。
グレイヴの指揮する この秘匿艦隊もソロモン攻略の準備を進めていた。
ペイルライダーの宇宙でのテストを行っていたところ、パイロットが機体についていけてないということで投薬。あと1か月もつか怪しいという台詞が痛々しい。
一方マルコシアス隊も月でアンネローゼの駆るビショップと模擬戦。そこに見学の新兵が押し寄せてエース部隊だと認められて喜ぶ一同。
その脇でソロモン支援艦隊が発進していたが、あまりに数が少なかった。
10話「ソロモンの渦」
12月24日 ソロモンへの攻撃開始
ペイルライダー視点。
クロエが酷使される環境下で彼女の理解者ポジションのサラ・シャノン曹長が登場。ガンキャノン2のパイロットで結構活躍する。
スレイヴレイス隊は負傷兵としてグレイヴの艦隊のコロンブス級艦アンティータムに潜入。手際よく周りの兵を排除して艦ごと乗っ取ってしまう。そこでボマーにトラヴィスから拳銃が付きつけられる。ジオンの打ち上げ基地にグレイヴの部隊が攻めてきたタイミングでボマーの内通が見破られたのだ。しかしトラヴィスは目を覚ますのが遅かっただけだといってボマーを再び仲間として迎え入れる。
ボマーの内通ネタはゲームとも共通の流れ。
フォレスタルからアンティータムへ移ろうとしていた兵員を乗せたスペースランチはレイスの工作で乗艦できなくなる。
また、ランチの中には同じように投薬でボロボロになっているクロエの予備要員も存在も確認できた。
11話「死神」
トラヴィスはアンティータムのMSドックにあったペイルライダーの量産検討機であるペイルライダーキャバルリーに乗り込む。
ボマーはHADESを自動で操縦をサポートするOSだと説明するが、搭乗者の体を蝕む死神だとも例えた。
ゲームをやった人なら分かる通り、これはコミック版オリジナルのMS。他のゲームだけどバトルオペレーションでの活躍も印象的だ。
そしてボマーはガンキャノン2に搭乗。珍しいMSだと思うんだけど既に2機登場、こんなところに存在していたのか。
戦場ではビグザムが出撃していた。クロエも攻撃を仕掛けようとするがビーム砲を受けるサラミス艦の爆発を受けて中破。
フィクサーは1人で罪を背負おうとグレイヴの戦艦を狙撃しようとするが、ここにもビグザムの砲撃が飛んでくる。HADESが反応して加速することで被弾は免れたがパイロットはGにより脳震盪を起こす。
ちなみにHADES発動時はゴーグルが上がってツインアイが露出するギミックがあるようだ。
ビグザムの砲撃でアンティータムは撃沈され、グレイヴのフォレスタルは急速離脱して難を逃れる。
その後、ガンダムの活躍でビグザムは撃破され、ソロモン陥落のニュースはグラナダのマルコシアス隊にまで届いた。
12話「許されざる者」
帰還後のフォレスタル艦内。
アンティータムのMS隊隊長のブルーワー大尉が帰還したことで、グレイヴはレイスの暗躍を悟る。
一方、スレイヴレイスは放置されたムサイ艦でMSの整備を行っていた。
キャバルリーはリペイントが施された。
ここから3巻
3巻はじまったばかりだけど、もうアバオアクー戦の直前。この先どうなっていくのか。
13話「進攻 ア・バオア・クー」
ソーラレイによって艦隊の3割が失われるが、グレイヴは3割の空席ができたと捉えて戦果を急ぐ。
マルコシアス隊はアバオアクーでかのヘッケル中佐と会話。こんどは最後まで待ってやると交流を深める。
スレイヴレイス隊も修理したコムサイでアバオアクーへ向かう。これが戦闘に紛れてグレイヴを仕留める最後のチャンスだと意気込むのだった。
14話「暴走 クロエ・クローチェ」
クロエたちが飲んでいた反射能力を上げる薬をなぜかボマーが持っていてそれをトラヴィスが飲んでこれ見よがしに苦しむ描写。
戦果を急ぐグレイヴから大物を狙うように指示されたクロエは次々と敵戦艦を撃ち落としていく。そこにマルコシアス隊が遭遇。
4機のフォーメーションでペイルライダーを窮地に追い込むが、シャノンが盾となってクロエを助ける。
目の前のガンキャノン2の残骸を見てクロエは錯乱する。
コムサイからMSで発進前のトラヴィスとボマー。
その時ダイバーが掴んだ情報で、ヴィンセントがアバオアクーでペイルライダーと交戦していることが判明する。
そこまで分かるものかね。
15話「戦火の別れ」
グレイヴとヴィンセントのどちらを優先するかというところで意見が分かれる。
トラヴィス以外全員の意見でヴィンセントを守りに行くことになる。
興奮したクロエとマルコシアスとの激闘。
ローゼのビショップは腕を落とされたのちにサーベルの一撃を受けて大破し、ヴィンセントがペイルライダーに取り付いてチャンスを作るが、リベリオもギーもビームサーベルで切り裂かれ死亡。ヴィンセントだけはMSを破壊されるが脱出することができた。
結論を言ってしまうとアンネローゼの出番は終わり。ゲームでも生き残った後に再登場するので、もしかしたら後に出てくる構想はあったのかもしれない。アルバートもペイルライダーとの交戦前に後退してからの生死不明。
16話「HADES VS HADES」
遅れてペイルライダーの元に駆け付けたトラヴィスのキャバルリー。真っ先にヴィンセントの無事を確認して安堵。
クロエにとっては続けざまの戦闘となる。
ボマーはペイルライダーの支援機の部隊信号を辿ってシャノンの元にいた。ボマーがレイス側に付く以前の知り合いらしい。ガンキャノン2からは交戦中のクロエの状況をモニターできていて、心臓がいつ止まってもおかしくない状態だと分かった。
17話「悲しみの証拠」
引続きトラヴィス対クロエの戦闘回。
勝負はトラヴィスの勝ちで決まり手は地面への叩きつけ。気を失ったクロエが目を覚ますとレイスのコムサイで機体と共に保護されていた。
ヴィンセントもコムサイに収容されていた。
クロエを救おうとするトラヴィスに対して仲間を殺されたヴィンセントが反対するが、トラヴィスはクロエがコロニー落としの被害者であることを告げてブリティッシュ作戦に参加したヴィンセントを咎める。
トラヴィスたちはグレイヴへの攻撃に向かい、ヴィンセントとクロエを乗せたコムサイはジオン兵に偽装したハイヤーと共にヘッケル中佐の待つザンジバルへと向かった。この時クロエもジオンのノーマルスーツに着替えていて、子供らしいステッカーやらカバンを携えている。主観でいうと年齢的に10歳くらいのイメージ。
この時代のクロエはゲームでは出てこないので、コミック版は貴重な資料だ。
18話「復讐のフィクサー」
レイス側についたシャノンはボマーのガンキャノン2に乗り換えフォレスタルへと帰還。機体のマーキングを消しているのが芸細。
ペイルライダーは撃沈されてデータを持ち帰ったと報告。同時にガンキャノンの僚機としてコアブースターも着艦。パイロットはボマー。
グレイヴは常に秘密裏に行動していたことで護衛のMSはほぼ存在しない。これが千載一遇のチャンスとトラヴィスのキャバルリーが奇襲を掛ける。ビームサーベルでブリッジを狙うキャバルリーであったが、外側からの操作で強制停止してしまう。
ライフルにしとけば終わってただろうにな。
ここから4巻
終戦から月日が経って6月になっていたり、新キャラのフィル・デール曹長が出てきて、コミック版の独自性が増していく。
19話「青い地球」
ブリッジのグレイヴと外から会話を交わすトラヴィス。グレイヴから交渉を持ち掛けられても、困っているのを見るのが面白いだけだといってガンキャノン2に仕掛けられた爆薬の起爆スイッチを押す。戦艦の中から爆発が広がる。
トラヴィスが何か操作してキャバルリーは再起動する。キャバルリーがバルカンを掃射してブリッジもろともグレイヴは死亡。そのままフォレスタルは沈む。シャノンとボマーはダイバーのコアファイターが回収して作戦完了。
それと並行して地球にあるペイルライダー計画の研究施設はリッパーが破壊していた。これはゲーム版で地上に残ったトラヴィスが攻撃していた施設だと思われる。
第1部完といったところか。
宇宙世紀80年6月
ムサイ艦が連邦の目をかいくぐって地球の真上にいた。
20話「大気圏突入」
連邦軍の哨戒部隊に発見される。その部隊のなかにペイルライダー計画の1機デュラハンとパイロットのデールがいた。
デュラハンはHADESの搭載されていない装備違いのキャバルリー。頭はある。
デールはペイルライダーの予備パイロットでクロエの下位互換のようなもの。戦災孤児という境遇もクロエと同じ。
ヴィンセントはコムサイ護衛のためにゲルググのパーツで補修されたペイルライダーに搭乗し出撃。そこでデュラハンを目にしてペイルライダー計画の生き残りがいたことを知る。
21話「流刑の獅子」
地球に降下したヴィンセントたちは北アメリカでジオン残党として活動するリッパーと合流。目的はクロエの治療。
なんだかんだクロエって死んでないよな。
リッパーのいる拠点でペイルライダー計画の研究者を捕虜にしているという話だったが、先にトラヴィスが連れて行ったらしい。
移動手段のアッガイを修理しおわった時に、このキャンプ地にデールを含むMS部隊が攻撃を仕掛けてくる。
22話「クロエとデール」
ヴィンセントもリッパーも応戦に出る。
一方ハイヤーはクロエを戦場から遠ざけるためにアッガイに乗せるが、クロエはコントロールを奪ってデールのデュラハンに攻撃を仕掛ける。この時の交信でデールはクロエを認知して誘惑し仲間に引き入れようとするが失敗。
ユーコンの出港準備が整い、ヴィンセントたちはこれに乗り込む。リッパーたちは今後はマリアナ諸島で活動を続けるようだ。
23話「さよならは言わないで」
リッパーと別れてレイス隊の秘密基地に着いたヴィンセント、クロエ、ハイヤー。
そこでトラヴィスとボマーとの再会。そこでマレーネという研究者にクロエの治療を強要。施術は日を跨ぐようだ。
ヴィンセントはコロニー落としの被害者であるクロエに自分がコロニー落としに関わっていたことを告白した。
偶然にもレイス隊の秘密基地の付近まで嗅ぎつけてきたデールたちMS7機が、マレーネの手引きを受けて攻撃を仕掛けてくる。覚悟を決めたヴィンセントはクロエにさよならを告げて出撃。まるで死にに行くかのように。
出撃するのはフルアーマースレイヴレイスとペイルライダーの2機。
24話「湖畔のふたり」
湖畔に沈みデュラハンとの相打ちに持ち込むヴィンセント。スラスターエンジンに負担をかけて自爆させるつもり。地上にいる残りの6機はトラヴィスと、遅れてきたボマーの量産型ガンタンクが撃破。
ヴィンセントの元に駆け付けたクロエのアッガイの目の前でMSの爆発が起こる。
クロエが必死に呼びかけると半壊状態のペイルライダーから応答が。HADESの機転でバックパックをパージしたことで爆発から免れたのだ。
ヴィンセントとクロエが抱き合ってハッピーエンド。
手術を受けていたはずのクロエがアッガイで出た経緯はすっとばされてた。アバオアクー戦後のダイバーがフェードアウトしたまま説明がなかったのも気になる。
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