Bクラブから知る Z・MSV
Bクラブというのは1985年に創刊されたバンダイ発行の雑誌。
その6号にゼータガンダム・モビルスーツ・バリエーション、通称Z・MSVの経緯が載っている。
最初に藤田一己によって10点のMSがデザインされ、プラモ化の予定もないのでスクラッチして設定と共に紹介するという連載企画であった。
その10機とは百式改、ガンダムマーク3、ネモ3、リックディアス改、ガンキャノンディテクター、FAガンダムマーク2(重装甲タイプ)、ゼッツー(Zガンダムマーク2)、量産型ゼータ、プロトタイプゼータ、メタス改、であったらしい。
一番古い設定なので既に通用しなくなったものもあるかもしれない。だとしても設定の変遷を辿ることは俯瞰的に見るうえで大事なことだし、歴史として設定の成り立ちを知ることができるので面白いから情報としての価値が失われることはない。
Bクラブ4
百式はZガンダムのための試作機であったが、シャアが乗って活躍したことで百式の強化案が提案された。
そもそも百式というネーミングは数十年の現役に耐えうる設計から来ているもので、基本に忠実であったことから百式改への再設計は比較的容易であったらしい。
Bクラブ5
ガンダムマーク2は複雑な構造と機体強度の低さを問題として抱えていた。
その欠点を改修すべくムーバブルフレームの構造の単純化を第一に設計されたのがガンダムマーク3だった。
Bクラブ6
ネモのパワー不足に悩んでいたエゥーゴはアナハイムに改良型を発注する。
そして開発されたのが出力を強化したネモ2、それにビームキャノンを装備したものがネモ3として分類された。
メタ的な話になるがオレンジカラーについてはジムトレーナーを参考にしたとのこと。
スクラッチモデルの手に携えられたビームガンは設定画にはなかったものでモデラーが追加した。しかし直後のページのマンガ風のデザイン画の方では銃を構えたネモ3の姿が確認できるのであった。
Bクラブ7
アナハイムは向上するMSの性能に合わせて既存MSの改良に取り掛かっていた。
特にリックディアスはコクピットが頭部に在ったためジェネレータの出力強化が比較的容易だったのでリックディアス改の着手は早かったとされるが試作機が1機つくられるのみに留まり実戦投入されてない設定。
手持ち武装の2連メガビームガンは後のZZガンダムのダブルビームライフルの開発に活かされた。この武器は設定画に存在するものではなく、ネモ同様にモデラー小林とおるのアドリブだそう。
ちなみに同じ号のショートコミックにはse-rでもないディジェタイプのMSがチラッと登場している。操縦者はアムロ。
Bクラブ8
カラバの要望により発注されたゲリラ戦に適した局地戦用のMSがガンキャノンディテクターだ。
フレームはメタスのものを転用することで、その可変システムを応用して射撃体勢がとることができる。
そのため本来ならば地上用メタスとでも称するべきところだったが、カラバのリーダーがハヤトであったために赤い色とガンキャノンの名称を与えられた。
完成した2機はシャトルから地上へ投下され、1機が着地失敗により全壊している。
Z・MSVはこの号を最後に次回からZZのキットを改造するという趣旨に移行となる。
そこから間を空けて20号にゼッツー、量産型ゼータ、プロトタイプゼータ、FAガンダムマーク2の設定画が載った。
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