逆襲のシャアをコンテ片手に細かいところを見る
先月発売になった逆襲のシャアのでかい設定資料集を読み終えた。
奥付では発行日が9月22日になってるけど実際届いたのは10月26日だった。
面白かったのは永野護氏のインタビュー。だって逆襲のシャア関連のインタビューで名前出ることなかったから。
富野監督のインタビューは再録だったので読み飛ばした。
設定集の279ページに「ベルゲドーガ」という没MSを発見。
ドライセンのシャーシを利用した作業用MSらしい。MSVに加わる日も近いか?
4分44秒
両手にライフルとシールドを持ったリガズィの途中変化形態
プラモでは再現不能と思われる。
このシールドはいつ手放すでしょうか?
正解は4分44秒でした。
バックパック爆発の反動によって無傷のシールドが宙を舞っている。
なぜこんな雑に捨ててしまったのか?
それはコンテの段階で このMSがシールドを持っていないからでしょう。
このパートのコンテが書かれた段階ではMSのデザインが決定していなかったため、リガズィもサザビーも永野護版の外見で描かれていた。
そのMSデザイン案も今回の資料集に載っているのだが、永野版リガズィは そもそもシールドを持っていなかったのである。
コンテ集4P
ベースジャバーの仮名称が『ムッホ』
8分41秒にハンナ・アンナが登場
コンテ集65Pにト書きの時点で『ハナン』
コンテ集P156
レズンのMSが鮮やかに撤退するシーンの後にアムロの台詞「なんだ?」
これが何に対する疑問だったのかというとテンルゥのクェスの存在を感じ取っての発言であることが最近のFebriのインタビュー記事で分かった。コンテには その説明は無かったが、台本には書いてあったようだ。
36分20秒
作画ミス
ハサウェイは前のシートにいるべき
39分22秒 (P261)
ロンデニオンコロニーから脱出するシャア
富野のアナグラムであるノミトの文字はスタッフのアドリブだと思っていたが、コンテの時点でノミト工業と自身で書き込まれていた。
40分14秒 (P266)
危機と判断したら独自の判断で動いていいという言質を取ったシーン。
この後の「録音したな」という有名な没台詞の存在が界隈で囁かれていた。
それが今回コンテに残っているのを確認できた。
それどころかカット682-697まで大胆に欠番になっていたのも発見。
欠番になったカットは他にもたくさんある。
その中で面白かったひとつがコンテ集P330
ロンデニオンのMS整備工場でサイコフレームの試験をするシーン。
アムロがサイコミュ受信用のヘッドギアを付けて目の前にはT字型のサイコフレームが置かれている。
それを周りでアストナージやケーラが見物している。
サイコフレームが光っていることで変化はないかと尋ねるチェーン。
「アストナージは腹減ってるってさ」と本気か冗談か分からない発言をして解散する。
これも没台詞のひとつになるがコンテ集P408より
ロンドベルより先にアクシズに到着したシャアがMSで出撃しようとするシーン
ライルに止められるが「昔暮らした場所だ、挨拶ぐらいさせろ」と言って出て行く。
完成品ではライルは引き止めない。
そういえば忌まわしい記憶については逆襲のシャアの中では深堀りされてないような気がする。
ここからはコンテ集の2冊目
1時間4分55秒
作画ミス
ヤクトの右腕は破損しているべき
ちなみにP351に損傷部分を忘れずにという注意書きがあります。
コンテ集p37
ハンナ・アンナの登場するシーン
ト書きには『アンナ』
コンテ集p92
ギラドーガの盾裏の武装は『ハイパーファウスト』
コンテ集p102
チェーンの腰のサイコフレームが輝く。
完成品では赤ん坊の泣き声が聞こえるが、コンテ上では言及してない。
1時間17分51秒 (p117)
リガズィを無力化しようとするギュネイと
必至に反撃するケーラの戦闘シーン
「丸腰になった」と油断するギュネイに対して腕のグレネードを発射するが避けられてしまう。
これは腕を振り上げたので偶然避けられたと、ト書きに書いてあった。
1時間31分02秒 (p190)
あなたは過去にビームライフルの連射はアムロの技量によるものだという解釈を聞いたことがあるだろうか?
機械の構造が操作技術でどうにかなるわけないのだが
その解答が絵コンテにあった。
ここでは『妙技の表現』をして欲しいという旨の指示があり、その妙技とは機関銃の1発1発を角度を変えて連射するようなことだと説明されていた。
1時間32分50秒 (p215)
3つの敵だと思ってました。
探したら同じ意見の人がいたので安心した。
コンテ段階から6が正解
1時間34分57秒 (p235)
ハサウェイの乗ったジェガンのバルカンによる被弾シーン
しかしその装甲の破壊のされ方はバルカンにしては不自然に見えてしまう。
コンテの指示には「弾丸は当たった瞬間に爆発するもの」とわざわざ書いてある。
それを作画が従ったようには見えないのだが、かえって混乱したのだろうか?
1時間42分53秒 (p302)
よくよく考えると謎の残るサイコフレームがウロウロする演出
コンテには「実際に来たのではない」という注意書きがあった。つまりアニメ上のイメージ演出ということらしい。
その割にはアムロのバイザーに反射してなかったか?
1時間43分46秒 (p314)
ここのサーベルを振るアクションは悪い意味で印象的で
「サザビー・駄々っ子」で検索すれば簡単に該当場面に辿り着くことができる。
ここの作画指示は実際どういうものであったかというと「サーベルを風車のように使う」。
そこで「サザビー・風車」で検索してみたけど、まるで関係ない画像しか出てこないぞ。
1時間48分51秒 (p361)
「たかが石っころひとつ、ガンダムで押し出してやる!」
アムロの頭から青い粒子が散るシーン。
このタイプの演出はガンダムを通しても他で見たことはない。ただの汗といわれたら それでも納得できたけど、コンテを読むと「髪の毛が逆立つ、その毛先からスパーク」と書いてあった。そんなスーパーサイヤ人みたいなアムロは見たくない。
実際そうなっていないので 出来上がったものが どこまで監督の意図通りなのか分からないけど、最終的にこの形に落ち着いたということもありえる。
コンテ集p393
最後のアクシズが軌道を変えた後
1本の白い光の筋がアクシズから離れていく。ブルーレイになって鮮明に見返せるようになった恩恵でしょう。前々から気になっていたのでコンテに何か書いてないかな?と思ってみてみるとありました。
「うーん、手前にモビルスーツの光の移動を少し入れるか?」
えええええ!これがMSと確定したらエライことですよ!だってそれニューガンdfghjk
こここの一文が!今になって表に出たのは、宇宙世紀憲章の削除された条文が公表されたのと割と近いものに感じているのでずがぁ!?
…今後、姿は出さなくていいから閃光のハサウェイ辺りで アムロかシャアを思わせる人物が出てきたら面白いのにとか思う。
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