【PS3】ラストオブアスの感想
「ラストオブアス」は2013年に発売されたステルスアクションのゲーム。
荒廃した世界が舞台のポストアポカリプスもの。
開発はアメリカのノーティードッグ。つまり洋ゲー。日本版にはゴア表現の規制がある。
PS3で発売された後もPS4でリマスター版、PS5でフルリメイク版が出るほどの人気タイトル。現時点でPC向け移植の準備も進んでいる。
そういった移植がある中、ゲームに高解像度グラフィックを求めてない自分はPS3版を引っ張り出してきて遊んだ。
今になってパート1を遊ぶ気になった動機はいろいろあった。
ちょうど続編のパート2が出たタイミングで、パート1のファンからパート2の内容についての批判が相次いでいるのをよく見かけた。まあまあ大事のように目立っていたので、どの程度の問題だったのかとか、そもそも間違いなのかという点で興味を惹かれたのだが、ゲームを知らないため深くは調べないでいた。
察するに批判する人たちは よっぽどパート1に思い入れがあったのだろうと思うと自然に本作に対する期待も膨らんでいった。
最近は実写ドラマ化もされたようで、このゲームのストーリーが映画に足りうる内容なのは間違いなさそうだという期待もあった。
それ以前にもストーリーが良いゲームとして挙げられることが多くて、ゲーマーとしての義務教育的な強迫観念には駆られるタイトルのひとつだった。
クリアまでの時間はゲーム内計測によると18時間30分。自分でもアバウトに計測して20時間。
特定の拠点があるのではなく、目的地に向かって転々と移動を繰り返すロードムービー方式かつステージクリア型の進行形態なので、誰がやってもプレイ時間に大きな差はなさそうだ。
難易度は中級を選択。最初に初級~上級まで選べて、それ以外にグラウンドというのも選択肢に入っていた。これが何なのか分からなくて説明書を読んだが説明が無くて困惑。調べてみるとDLCで追加された最高難易度らしい。選ばなくてよかった。
そしてこのゲームの総評を述べると、お勧め度は5点中3点。
ストーリーに感銘を受ける部分は無く私の期待に応えるものではなかった。
そもそも評判として聞くのはストーリー部分ばかりだったので、プレイしてみるとアクション性の高いゲームだったのでびっくりした。
ゲームとしては面白いので、その部分の評価は高く見積もっている。
具体的な不満点は何だったのかというと主人公の脳筋思考。
前情報から受ける印象というのが、人類が絶滅するかもしれない世界で怪物的な生物から逃げつつ少女を守り抜くみたいな話だろうくらいのものだった。
実際にこのゲームは敵から隠れながら戦う 所謂ステルス系統のTPSだったんだけど、想像と違ったのは主人公が一般人なのに超人的な強さで、歯向かう者を人間も怪物も区別せずに次々に殺害していく無慈悲な発想の人物だったことだ。人類の生存の為に協力して頑張ろうとかではない。相手にも親や子供がいるだろうということを無視した上で、それが人類のための犠牲ならまだしも最終的に自分の娘だけは譲れないという。それは自分が満足する為の行動でかなくて感情移入の余地はなかった。
道中における相談相手が不足していたのは意図的に感じられる。
終始ジョエル個人の考えで話が進み大局的な目線でエリーが語られることが無いし建設的な話し合いの場が設けられないままストーリーが進んでしまう。だからこそジョエルに馴染めない私にとっては面白くないゲームだったのだろうと思う。
ゲームシステムはTPSで相手を撃ち殺して進むものだが、マップ上に隠れる場所がたくさん用意されていて、上手く操作することで敵に見つかる前に背後から絞め殺す事もできる。
自分は このジャンルが不慣れだったという自覚があって、隠れて戦うのが下手だったのでゴリ押しみたいなプレイスタイルになった。それでも中級難度だったからゴリ押しが通って詰まることなく進めた。
見つからないでくれという緊張感を楽しみつつ、見つかった所で無理矢理やって突破できたので良い塩梅の調整だったとも思う。
詰まることが無かったといっても死んだ回数は132回。ここは苦しいなと思った場面は何度か遭遇した。そういう時は惜しみなくアイテムを使いまくることで、どうにか斬り抜けることができた。意外に活躍するのが弓矢で、銃声がないという理由で撃っても敵に見つからない上に、なぜか即死属性が付いていて銃を当てるよりも簡単に敵を倒せる。まあ矢の数は限られているんですけどね。
スナイパーライフルやショットガンなどの複数の武器の切り替えや、聞き耳を立てて相手の位置を伺うシステムは操作性も良くてゲームプレイには爽快感があって良かった。なによりもゴリ押しが効くのでステルスプレイを強要されないところが良かった。
しかし主人公のジョエルは元々一般家庭のパパなので訓練を積んでいたわけでもない。そんな彼が武装集団を1人で全滅させるし、人を殺すのにも躊躇しないし まるで現実感のないキャラクターだった。それはプレイヤーキャラがエリーになっても変わることはない。
断っておくがプレイスタイルだけの問題ではない。
ストーリーはシンプルなもので、世界を危機に陥れているウィルスの抗体を持っている14歳の少女を医者に見せて薬を作って貰うのが目的。
ゲームとしては短期の目的地がその都度にあり、行く先々で妨害に合うような構成になっているが、目的は一貫している。違う風景の場所へ矢継ぎ早に転々としていくため見た目で飽きないし、ステージのデザインも様々な工夫を感じることができた。
特に覚えているのは
脚を吊り上げられた状態で行う銃撃戦
敵のスナイパーに接近しないといけないとこ
ずっと銃を撃ち続けてくる装甲車から逃げ切るとこ
罠に引っかかったジョエルはエリーに助けてもらうしかなくなるのだが、お約束通りそこに群がる感染者たち。自分を助けるためにエリーが一生懸命なのに見てるしか無くて、ピストルの弾を外すとエリーに危険が及んでしまうという緊張感の中で、感染者何人おんねんという危機感のある戦闘が良かった。
敵スナイパーとの戦いは、初め相手の窓をずっと狙ってて、これ当たらないようになってんなと気づくまで時間が掛かったから印象に残っている。床下とかくぐって地道に近づいていく流れが面白かった。意外とルートは自由なんだけど、窓に撃つのは許されないんだな。
装甲車ステージはマップがすごく入り組んでいて、コンビニを抜けたりビルを上ったかと思えば窓から出て壁際を擦り歩き、キャラクターを動かしている自分が、なんでそこに向かっているんだろうという不思議な気分になりながら進めていった。
ジョエルとエリーの旅はなかなか目的が果たせずに最終的に1年弱の長い旅路になるのだが、それは実の娘を失った父親が少女と絆を深めていく過程である。
その集大成に世界かヒロインかを選ぶという展開が待っているわけだが、自分でヒロインを病院まで連れて行った上で葛藤を始めて病院の人々を虐殺しつくしたうえでヒロインを選ぶという流れは不自然に見えて失望感を味わった。典型的な人情話だったらそうなるんだろうなと予想できるし散々時間があった上でこれなんだね。
そんな最初から予測できるような感動のラストで このゲームが高評価を得ていたというのが自分には納得できない。
雰囲気は非常に良い。映画的なカットシーンがいくつもあって演出も凝っている。オブジェクトやマップの作り込みからゲームとしての完成度はハイレベルにあることは間違いない。雰囲気にのまれて冷静さを失っていやしないかと疑問に思っている。ここまでの不満点を要約すれば力で解決しすぎ。これが洋ゲーのノリだから日本人に合わなかったといってもらえれば気が楽だ。
唯一30分詰まったポイント
先端まで行ってアクションボタンで向こう岸にジャンプする
他では時間経過でヒントが表示されるので親切だなと思ってたけど
ここはヒントが出なかった。
基本的に建物は空き家。
入れる家は多くて間取りは全部違っている。
ちゃんとアイテムが配置されているので捜索欲が湧いてアイテム収集は楽しい時間だった。
武器を強化するための部品は貴重なアイテム。プレイヤーが強くなれる少ないチャンスなので見つかると嬉しい。
ラスアス名物のジャンボペール(ゴミ箱)
この世界では足場として使われる。
何回同じギミックつかうのかね。
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