Portalの感想
「Portal (ポータル)」は2007年にアメリカのValve社により開発された一人称視点アクションパズルゲーム
元々はWindows-PCのパッケージ版とSteamのDL版の併売
そしてPCパッケージ版は「The Orange Box」という3種類のゲームが入っているセットの中の1ゲームであった。
現在もsteamで安価で販売されていて定期的にセール対象にもなっているので200円あれば買える。
ボリュームも値段相応ではあるが、名作として度々 名前の挙がるこのゲームをようやく暇を見つけてプレイすることができた。
初めは知育テストの繰り返しで、無機質なステージの外観のまま変わらないので盛り上がりに欠けるゲームだなと思いながら続けていたが、そのまま1日のうちにクリアしきった今の印象はどうだろうか。まったくもって素晴らしいゲームとの巡り会わせに感謝している。そんなに深い内容のストーリーがあった訳では全くないのだが、主観視点ということも相まってエモーショナルなゲーム体験となった。とにかく後味が良かったなという印象は特に音楽の効果によるものだろう。
お勧め度は10点中9点
日本語音声は無くデフォルトでは字幕なしになっている。セリフが面白いゲームなので日本語字幕を出しておくことを推奨。
それでは肝心のゲームプレイについて話すとしよう。
これは一人称視点でキャラクターを操作し、度々スイッチを押して、ゴールまで向かうステージクリア型の謎解きパズルとなっている。
個々のステージは広くないのでゴールは見えている。
見えてはいるがプレイヤーキャラはジャンプ力が僅かにしかないためゴールまでの道は断たれている。
どうすれば目的地に向かうことができるのかというのが基本的な課題だ。
その答えはいつもワームホールを作り出すことで解決される。
このゲームの骨子に当たるのがポータルガンというギミックで、壁に向かって撃つことでワープの入口と出口を生み出せる。
出しておける入口と出口はひとつずつ、ワープを作れる壁には制限がある。
それだけのシンプルなルールで、後は工夫次第で解けるようステージは巧妙に組まれている。
ポータルガンに殺傷力はないものの銃の照準は他のFPSと共通している。
実際ステージが進んでくるとカメラ操作もエイム操作も必要なポイントがあるので多少なりの操作技術を必要とする。だから頭だけで解けるパズルとは言い切れない部分があるので、そこは予め注意しておいて欲しい。自分はゲームパッドで操作したけど、設定でのスティックの感度変化に対応してなさそうだったので、要所でマウスによるエイム操作を行って切り抜けることが多くあった。
具体的に言うと、自動的に進行するオブジェクトがあるので、そのオブジェクトが接触するタイミングで操作を行うであったり、そのオブジェクトが移動を終える前に操作を終わらせるとか、その時間内に別のワームホールを新しく作り出すといったことが求められる。
それでも親切だと思うのはステージ中の再開位置が細かく刻まれていたのでリトライ性は非常に高かった。同じことを何度もやり直す億劫さは感じなくてとてもありがたかった。
謎解きの難易度は自分にはいい具合で簡単すぎることもなく、それでもヒントなしに進むことができた。ただ1か所、絶対に正攻法じゃないなと思いながら進んだところがある。あとで正解をググってみたらやっぱり違った。
クリア時間は4時間と数分なので自信のある人は、4時間空けて一気にやってみると良い。
3D酔いがそれを許すかは分かりませんが
ポータルはその独自性自体がまず素晴らしいところだけど、他にも感銘を受けた部分は多くある。
練られたことが感じられるレベルデザイン
各ステージが閉塞的でできることが少ないので自ずと解法が見えてくる
文字を使わずにシンボリックなイラストと数字だけの配置で自然な誘導ができている
統一感がしっかりとあって作品内世界を形作っている
前半でやらされる一連のテストが後半パートのギミック全部の説明になっている
ラスボス戦でも例外ではない
一つ目は取りやすい位置に吹っ飛んで、二つ、三つと目線を上に向けさせるように段階を踏んでいる
テキストのセンスの皮肉が効いてウィットで笑える感じは個人的にマザー2に近いと感じた。
プレイヤーに指示を与える機械音声は高圧的な態度ではあるものの
ホラー要素としての怖さはなくて、どこか隙のある愛らしさも垣間見える
コンパクトで登場人物が限られた閉塞的なゲームだけど、それを活かしたストーリーテリングの手法が素晴らしく
多くを語ることなく研究施設の裏側をチラ見せするだけで背景情報を仄めかしたりする
ネタバレを避けるためにぼかすが、例のストーリーの転換点となる場面では
ピンチによる危機感の演出に鳥肌が立ったのを覚えている。
こういう時にプレイヤーキャラがリアクションするとどうしても客観的に見てしまうのだが、このゲームは最後まで主観を貫いていてセリフも一切ないため感情移入の度合いが大きかった。今何が起こっているんだ?という事実認識のラグが自然に生まれていたように思う。
後半パートになると清潔な白タイルステージから一転して薄暗くて無骨で粗野な外観のステージになる
まるで整備されていない未知の領域を進んでいる感じの道中は緊張感が高まった。
ゲーム場面の例
ゴリ押ししたポイント
エンディングも演出の一旦になっていて楽しい。
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