« 雑談 リメイクに期待することってなんだろう | Main | 【アクシズの脅威V】エゥーゴ編の情報 »

March 27, 2023

【PS3】ヘビーレインの感想

Heavy Rain (ヘビーレイン)」は2010年にPS3で出た3Dアドベンチャーゲーム
開発はフランスのクアンティックドリーム社で、このHeavy Rainの後にも「Beyond」「Detroit」といった同系統のアドベンチャーゲームを続けてリリースしている。知名度的に そちらの方を先に知った人も多いかもしれない。
「Heavy Rain」はPS4でリマスターが出て、2020年にはsteamでも発売されている。
でも私のプレイ環境はPS3だ。PS3には「Rain」というSCE開発のタイトルもあるので混同しないように注意して欲しい。
ちなみに妙なサブタイトルが付いてるのは日本版で追加されたものでオリジナルにはない。
それと、後で知ったが日本版ではセクシャルなシーンに規制が入っているようだ。steamでも日本から購入すると日本版になるだろう。

クリア時間は8~9時間
話が暗いので、おススメ度合いは5点中3点
ストーリーの内容は別としてゲーム自体はとても良く作り込まれている
001_20230303185501



このゲームは一言で言うとちょいちょい操作できる映画だ。
アメリカのとある都市で連続殺人事件が発生。被害者は全員子供。イーサンの息子もまた犯人によって誘拐され、殺害までの短い猶予が与えられる。彼は息子を救い出せるのか、という内容のミステリー アンド サスペンスドラマ。

そう言ってしまえば話の中身はシンプルなのだが、操作キャラが4人いる。すなわち4つの違った視点から語られることでストーリーに広がりを感じることができた。操作キャラの特権として、それぞれの人物が一人の時には葛藤を覗かせることもあり、人物設定に深みが出る。4人もいれば誰か一人くらい気に入るだろうというメタ的な利点もある。ちなみに操作キャラは自分で選ぶのではなく シナリオに沿って自動で切り替わっていく。その4人に面識はないけれど同じ事件の真相を追っているため、途中で出会うこともあるだろう。
時には真相から遠ざけるようなシーンを挟みプレイヤーを惑わせつつも、ジリジリと核心に迫る様に、私は先の展開を渇望してプレイ意欲を誘われた。

そのストーリー構成は映画さながらに起伏をはらみ、次から次にショッキングな状況が訪れ、緊張感の漂う展開でプレイヤーを惹き付ける。
それらはカーチェイスアクションであったり、殴り合いのシーンは飽きるくらい何度もあったり、あの手この手で命の危機にさらされたし、女性のシャワーシーンやベッドシーンのような分かりやすい盛り上がりどころがあって、普通に映画用のスクリプトを準備してきたような印象を受けた。


20230128145216
*命の危機の一例








映画だなんだというと、ただ見てるだけのように思えるかもしれないが、アクションシーンでは例外なくQTEのボタン操作を求められるから、プレイ中に退屈なムービーゲーだと思うことは一切なかった。
ノーマンがマーケットで犯人を追いかける時に店内に陳列してるものが豪快に散らかっていくシーンもQTE満載で、やってることはまんまシェンムーだった。
まあシェンムーではQTEで失敗すると時間が遡って同じシーンを繰り返し見せられるのだけど、このゲームではQTEで失敗してもゲームプレイが中断されることなくリニアに進行するという点は本作を象徴する特筆すべき部分だろう。
このゲームにはゲームオーバーがなく、失敗は失敗という結果を引きずったまま最終的にいくつかのエンディングに分岐する。やり直しができないものなので自ずと真剣になるというものだ。自分のプレイ結果が物語に反映される という点は絶対に映画では味わえない体験だ。
すべてのQTEが分岐に影響するわけではなく、成功するとトロフィー(実績)が増える程度のミニゲームも多いが、雰囲気作りや没入感に一躍買っている。




実は難易度選択が可能なゲームで、いつでもQTEの難易度が変更可能。それに一発勝負ということもなくて、いくらかの失敗は許してくれる。自分はノーマル以外でプレイしていないので具体的な違いは知らないけど、ノーマルでは反射で押す部分で困ることは無かったものの、計画的に指を使わないと全部のボタンが押せないような箇所はあった。複数ボタンの同時押しっていうのは要求する操作として新鮮だった。

ムービーを見ていて退屈しない もう一つの理由に演出や役者の演技の質が高いという点も忘れてはならない。
ゲーム内でメイキングを見ることもできるのだが、役者から表情のキャプチャーを取る技術がゲーム中にしっかり反映されていて、映像作りに対して非常に大きなコストを払っていることが伺える。


カットシーン以外の操作パートでは箱庭マップを自由に散歩することができる。
その情景は丁寧に作り込まれていて
そこで行える行動も豊富なので、ゲーム開始直後から、このゲームの作り込みに感動することだろう。
20230127163805
この画像の歯磨きは全くする必要のない雰囲気づくりのために作られたアクションに過ぎない。
下手にこの行動を起こしてしまい、私のゲームプレイは中断されてしまった。なぜならこのゲームはコントローラーのジャイロ機能を必要としているからだ。"純正の"コントローラーを左右に振るとプログラムが反応してくれて先に進むことができる。そうして私はコントローラーの充電を開始した。
このアクションは、別のシーンでも何度か要求されるのでPS3ユーザーは純正コントローラーを用意しておくべきである。
話は逸れるが これはソニーが仕組んだ策略なのだろうね。



20230128125202
タイトルにもなっているが、作中では しばしば雨が降っている。
単純にビジュアルとして綺麗。

もうひとつ感心したことは、操作パートで群衆の中を人をかき分けながら進む技術。
キャラクター同士で接触が起こると、歩く行動を止めずに その人を手で押しのけるアクションが自然にできていたことに驚いた。
多くの3Dゲームでは 当たり前に目の前の物質を無視したノーリアクションの体当たり移動が日常茶飯事として行われていたはずで、そうなっていないのがすごい。



軽いネタバレパート
20230128141403
ごく個人的な話をするとイーサンの手錠の鍵を探すのに時間が掛かった。
このゲームではいつでもキャラクターの思考を表示させることで、次の行動のヒントを示してくれる。だから迷うことは無かったと言っていい。でも鍵の場所は知らせてくれなかった。あとリビングルームにあるという皿の場所も長いこと探した。ただ自分のプライドの為に言っておくとクリアするまでゲーム外からの情報は得ていない。


私のプレイでは犯人以外全員生存エンドで、イーサンが逮捕状態だった。
イーサンはメイン主人公みたいなポジションなのだと思ってるけど、イーサンに対しては最後まで感情移入できなかった。
被害者でありながら、ただの被害者ではなく妄想癖があったので、姿を見せない実態の感じられない犯人の言いなりになる必要なんてあるのだろうかという気持ちがずっと先行していた。イーサンが犯人だとは思わなかったけど狂人ではあったので最後まで信用できない部分があった。

このゲームは暗いと冒頭で言ったけど、暗さの大部分はイーサンにあって、ひたすらイーサンが精神的に肉体的に追い詰められていくような話だったと思う。
その点、ノーマンは犯人を追うことだけを考えているからさっぱりしてて気持ちよかった。
あのARメガネは現代の科学よりちょっと進んでいるらしいけど、目から血を流して使う程のものなのかという疑念があった。
プロファイリングを行うモードはそれまでのゲームプレイとは感触が異なる特別感があったのでスパイスとして存在感もあって良かった。

とは言いながら、エンディングも暗い終わり方で、それはマルチエンディングということもあったのかもしれないが、事件を解決したというのにイーサンは嫁と別居しノーマンは幻覚に悩まされて、ハッピーエンディングとはかけ離れていた。カタルシスとは縁遠いゲームだなあという感想であった。
20230128170111
空中に向かって手をパタパタさせる動きは多少マヌケで可愛らしく思った。

20230128155828
マディソンもよく分からんキャラクターの一人だった。というか掘り下げが少ない。
お色気担当ということはよく分かった。



| |

« 雑談 リメイクに期待することってなんだろう | Main | 【アクシズの脅威V】エゥーゴ編の情報 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 雑談 リメイクに期待することってなんだろう | Main | 【アクシズの脅威V】エゥーゴ編の情報 »