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January 27, 2026

ファンタジアン(ネオディメンジョン)の感想

ファンタジアン」は2021年にApple Arcadというニッチなプラットフォームで配信されたJRPG
2024年にネオディメンジョンの副題を付けて一般的なゲームコンソールに移植されたのを機に初めて遊ぶことができた

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開発はミストウォーカー
ファイナルファンタジーの生みの親でもある坂口博信による作品なので
初期のFFが好きな自分にとってはプレイを通して懐かしさを感じる部分が多々あり
こういうFFを求めていたんだと言いたくなる満足度で遊んで正解だった。

実際にインタビューでもファミ通の配信企画でFF6(クラシックミニSFC)を遊んだことがきっかけで開発が始まったと語られていたので、若者よりもスーファミ世代のおじさんにこそ刺さるゲームになっているはずだ。

まず写実性を突き詰めた近年のFFとは異なり、本作のグラフィックは3Dでありながらもデフォルメされたビジュアルが用いられている。それが適度に記号的なモーションとマッチしていて想像の余地が残されている辺りは2Dドット表現の延長線上にあるように取れた。

そしてグラフィックの面で最も特徴的なのが、実物のジオラマを撮影して作られた背景である。
完全な手作業で製作されたジオラマからはデジタルと違って手作り故の粗さも滲み出ているが、この不規則さには暖かみがあり、世界そのものが優しく感じられる。この手触りは物語のトーンとも噛み合っていて、世界は滅びに向かっているはずなのに、不思議と暗くなりすぎない。




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戦闘シーンもジオラマ内

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ダンジョン

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フィールド

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個室も別々に作り分けられている

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メニューを開くと全景が見れて嬉しい


根本のストーリーはシリアスだけど雰囲気は最後まで明るい。コミカルなシーンの割合が多いのでその辺りも楽しめた。
特にパーティメンバー内で会話することがたくさんあって冒険中は和やかな雰囲気が続く。
シンデレラ三連星は何度も再登場する敵でありながら、毎回コント仕立ての会話で場を和ませる存在。
戦闘中ですら笑わせてくる彼らは、ファンタジアンの「明るさ」を象徴している。

人が死ぬようなイベントはすべて回想シーンで描かれていて大事な人は既に死んでいるパターンなので悲壮感は薄れている。
オーウェンも死ぬそぶりを見せただけで結局生き残ったくらい徹底されている。
それに関連するはなしで過去のシーンは一枚絵とテキストによる形式に切り替わりゲームプレイに変化を付けているのは同じミストウォーカーのロストオデッセイからの流れだろうか。
ほかにも突然一人称視点の3Dダンジョンマップになる箇所があって味変に対する意識の高さを感じる。
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シナリオや人物配置には、FF4・5・6、さらにはクロノトリガーを想起させる要素が数多くある。
主人公が牢屋に入れられるとか乗った船が魔物に襲われるという王道展開をはじめ、
生き別れの王族姉妹、冒険家の父、亡くなった母親が魔力で娘に力を貸す展開、敵側の機械が味方になる流れ、パーティメンバーが各世界から一人は選出されてる状況。世界崩壊から仲間が散り散りになって再集結する後半構成、ラストダンジョンの三分割パーティ進行。
そんな共通点を探すという別の楽しみも見いだせた。

植松伸夫の音楽は実家のような安心感があり、FFで流れていても違和感はないだろう。
ジャンルはバラエティ豊かで、ところどころ肉声入りのBGMもあってキャッチーなものが多い。
戦闘曲に限っては本当のFFのBGMに切り替える機能も実装されている。



●エンカウント
ゲームシステム面で特筆すべきは、やはりディメンジョンシステムだ。
一見すると古典的なランダムエンカウントだが、エンカウントした敵をその場でストックして後から好きなタイミングで戦えるので探索と戦闘の時間配分をプレイヤーが制御できるようになっているところが素晴らしい。

ストックした敵とは一度に戦う事で結果的に時短にもなる。
範囲攻撃を有効的に使えば多くの敵をまとめて倒すことができるのと、ディメンジョンバトル限定のバフアイテムがあるのでディメンジョンシステムの恩恵は大きくて常に使った方が良いレベルで便利な機能だ。
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ジオラマ写真で作られたマップはその性質上、固定カメラによる視点から動かせないようになっていて、一定の位置に移動すると追従して次の定位置へとカメラが回り込む仕組みになっている。広いマップを作れない代わりに1画面を見ただけでは全体を把握できない設計にしてあるのだろう。
それ自体は視認性が悪くて不親切なのだが、カメラをこねくり回すのではなく歩いて近寄ることではじめて宝箱が発見できるという探索の楽しさがあり、ファミコン時代にあった画面外の隠し通路を探す行動に似たものを感じた。マップ内に仕込まれた数々の宝箱を見つけるのはゲーム攻略上の課題と言ってもいい。ありそうな場所にはだいたいあるので制作者と対話しているような気分になる。
注意すべき点は初回到達時では絶対取れない宝箱をわざと見えるように置いてあるので早々に諦めること。(ワームホールからワープしたら取れる)
カメラの移動速度はデフォルトだと酔いそうになったのでコンフィグから速度を遅くしてもいいかもしれない。


●バトル
戦闘そのものは分かりやすいターンバトルではあるが考えることはいろいろある。
位置の概念、攻撃決定タイミング、戦闘中のメンバー入れ替え、後半解禁されるスキルツリーとテンション技の要素など。
通常戦闘でも複数の敵に上手いこと攻撃のラインを合わせようとか考えるので、脳死作業にならない設計はゲームとして健全だ。
一方でテンポは遅めで、特にディメンジョンバトルの演出待ちの操作できない時間は気になった。
あとラストダンジョンでディメンジョンマシンが使えなくなる場面では、強い不快感と同時に、このシステムがいかにプレイ体験を支えていたかを逆説的に思い知らされた。

ターンは敵と味方の単純な交互ではなく行動速度の数値があるうえに取った行動によるコストの重さも違い、それは隠しパラメータになっている。隠されていても右下の並びで視覚的に認識できるので概ね困らない。
パーティメンバーは最大8人になるが戦闘に出るのは3人。倒れていても控えに居ても経験値が平等に入る仕様なのは助かる。戦闘中は自由にメンバーチェンジができるので攻略の幅はゲーム後半から格段に広がる。控えに戻してもバフが付いたままというのが便利で後半戦の方が戦いやすかった印象がある。戦略的な入れ替えが勝利に繋がるので楽しい。



●難易度
戦闘の難易度は2種類*用意されていて任意のタイミングで変更可能。
自分はノーマルでしか遊んでないけど、それでも体力の減ったボスの攻撃は苛烈になるので、あそこで倒しきらないと負けていたであろう緊張感のある戦いの連続で楽しめた。実際のところ敵のHPがいつでも確認できることが難易度を大きく下げていて、倒しきれると判断したら攻撃に全振りできるゲームだった。つまり楽な攻略法はダメージ自体は通りやすいので「力こそパワー」でどうにかすること。

これがハードモードだったなら敵の攻撃に押し切られて一度は全滅して事前対策を整えてやりなおすことになっていたはずだ。話に聞く分には時間が掛かりそうなのでノーマルをお勧めしたい。
ノーマルのバランスは丁度良くてレベル上げの必要もなく、やられたボスも即座の再戦でなんとかなった。タンは最後まで補欠のままだったし、SPカプセルは1個も使わずにクリアできた。
歯応えが欲しい場合は周回時に敵のレベルが高くなる仕様で3周目で最大になる。さらに任意で敵のパラメータに25%の補正を掛けることもできて気が利いてる。
個人的に嬉しかったのは割り振ったスキルポイントをノーリスクでリセットできるところ。そのおかげで気軽にスキルを試せるし敵に合わせて付け替えるなんてこともハードモードなら試していただろう。

●ラスボス
どのボスも負けたとしても二度目で倒せて、その意味では順調に進めた。ちなみにこのゲームは自動セーブがあるので負けた戦闘を状況再現してリトライできる。
唯一2度の敗北を喫したのがラスボスで、時間を掛けた分だけ語りたいことはたくさんある。
まず最初の人型はあっさりと倒せる。そこからラスボスの形態変化があるのは予測範囲内だったが、次の形態も無難に倒せてしまった。これで終わりとは思えず緊張感は続く。
やはりというか自陣の装備を整えるパートを挟み三戦目へと突入するのだが、この三連戦の間は途中セーブ不可。

この第三形態の使う大技、ビッグバンには予備動作があり丁寧にも危険であることを知らせてくれるが、流石にガードをしないと凌ぐことができずに全滅してしまった。1戦目からやり直すことになり精神を削られる。
再戦時は対策の甲斐もあり、しっかりビッグバンを防ぎきることができたが、実はその先に明確な初見殺しがあった。
相手のHPが残り僅かとなったタイミングで、またビッグバンの時のように大技の前兆を予感させるカウントダウンが始まった。
守りを固めることを考えたため倒しきるには至らずカウント0を迎えると世界が消滅して有無を言わせぬままにゲーム終了。
これには悔しさより先に「参った」という感情が先行した。
これがフェアかどうかで評価が分かれるだろうが、知識こそ最大のリソースという本作の思想を、最後に最も強く叩きつけてくる存在だった。
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●プレイ時間
ゲーム前半の区切りとなるヴァムまで13時間
エンディングまで55時間でLVは57(ゲーム内の推奨LVは60だった)



 




・豆知識
LV35に到達してからは自分より低いレベルの敵からの経験値が減る
LV65に到達してからはSPの増加が止まる
2周クリアで最大の99になったのでレベルは上がりやすいバランス
周回すれば無限に取れるSPカプセルでSPを増やすことができるのでSPの使い道に神経を使わなくていい

攻防バフは125%
チャージは150%反撃に消化されないし反映されない
チャージ2は225%
クリティカルは150%
捨て身は200%
無属性強化は115%

先頭メンバーを変えると調べた時の台詞も変わるしアイテムをくれる住民もいる

・分かりにくかった場所
死械に覆われた街にいる秘密基地の住民
死械化中心部に行けるようになるタイミング

・初見で負けたボス
秘密基地を襲ってきたビームを撃つ2体セットのメカ
混沌世界の石化と即死を使うトカゲ
商業ギルドが呼んできた自爆する花を撒き続けるフシギバナは反撃が悪さをするのでスキルを外さないといけない
シャングリラの天気を変化させるブオーン
炎耐性必須の太陽
ラスボス

・納得できなかったこと
登場人物がワープマシンを受け入れすぎ



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