【AC】マジックソード
プレイヤーキャラの武器が魔法を撃てる剣だから
「マジックソード」
検索には向ていないタイトル名で困る
(Magic Sword: Heroic Fantasy)
カプコン(大西/貞本/岡本) 1990年稼働 サイドビュー/任意スクロール/ジャンプアクション 2P協力可能 残機0のライフ制 コンティニュー:その場復活 *スコアはリセット ステージ構成:全51面end (ショートカット可能) *分岐を含めたステージ総数は61面 クリア時間:40~50分 (参考スコア400万点) *開始ステージ次第では15分未満 デバイス:8方向+2ボタン |
●難易度 4
このゲームは50ステージという長い道のりを体力引継ぎで戦い続けなければならない。
体力は時間経過と共に減っていく仕様のため、ワンクレジットクリアは一見無理にも思えるが、敵を倒した時にランダムドロップで回復アイテムが手に入るので熟練者であれば現実的に達成可能なレベルになっている。
律義に50ステージ分を走破しなくてもショートカットを利用すればスキップできる階層もあるので、それでも体力の問題は解決するのかもしれない。
特にワンクレジットを目指さない場合、コンティニューした後は良い状況で再開するので金さえ積めばクリアまで気持ちよく遊ばせてくれる。
毎回ゲームの冒頭からやらせるのではなく、ステージセレクトがあるから後半ステージからスタートできる点でも良心的な難易度だといえる。
体力が少ない時は回復アイテムが出やすくなる仕様もユーザーフレンドリーに感じる。
ピンチになった時の救済で牢屋から大回復アイテムが出るおかげで瀕死になっては延命してを繰り返し、ギリギリのスリルを味わいながら長く遊ぶことができたのは親切に感じた部分。
ゲームの攻略においてテクニックよりは事前の知識の方が必要だと思う。
種類が豊富なアイテムの効果を知るところから始まり、使いやすい従者と加入のタイミングだとか、回復アイテムを落とす敵の判別も重要だし、次のフロアへ持ち越すアイテムの選別も挙げられる。
当然、敵の出現パターンを覚えるのは重要で、特にゼニデインで突破する部分を決めておくと安定する。
このゲームの回復アイテムのドロップ運に依存している部分は、FCソフト神龍の謎を思い出させるが、その場復帰できる本作の方が易しい。
敵の強さについては通常の敵は堅すぎることもなくテンポよく進める。敵の数は急に多くなる罠的な箇所があるだけで普段は多いとは思わない。ボスは数体いるなかで苦戦するのはラスボス除く1体だけで後は簡単。ラスボスは どれだけ体力を残せるか次第に思っている。
●進行
塔の上を目指して進み続けるシンプルなゲーム。
1フロアが1ステージになっていて扉に入ると次のフロアに進める。
扉の先はすべて上への階段なので迷う要素は無い。
塔の中で宝箱や敵から鍵を拾うことがあって、3種類の鍵がストックされていく。
扉を開ける時に鍵を使う演出があるのだが、その際に鍵が消費されることは無い。
それどころか鍵を最低1つ持った状態がデフォルトとなっているため上に進むために鍵を探す必要がない。
特定の階層では大型のボス敵を倒すことで次の階層への扉が出現するようになっている。
50階に待つ魔王ドラクマーを倒せばエンディングが流れてゲーム終了。
●感想
剣と魔法とドラゴンの典型的な西洋風ファンタジーという舞台背景には、当時流行っていたRPGの影響が感じられる。
このゲームは完全なアクションゲームだが、RPGにおける装備の新調や旅先で加わる多彩な仲間、仲間のレベルアップといった強化要素も楽しめる。
新しい武器を手に入れると しっかり見た目に反映されるのが嬉しくて、いろんなアイテムが落ちてるので期待を持たせて喜ばせてくれる。
グラフィックはレベルが高くて、描き込まれたステージ背景も短いスパンで次々に切り替わるので目で楽しめて進行度も分かりやすい。
敵の種類が多くて攻撃方法も多彩であり丁寧に作られているのが分かる。
各ステージは少なからず特徴があってコツを掴めば対処が楽になるようなレベルデザインなので、適当なゴリ押しをする前に考える余地があるほか左右どちらからでも進めるフロアもあって、自分なりの最適解を探させるように作られているのでやり応えがある。
ただ幾つかランダム要素がありアドリブが必要なのと、フロア数が多いから覚えることも多いので全て完璧にこなすのは難しい。バランスはやや運寄りかと思う。
ゲームデザインの部分では普通にクリアを目指すほかにもタイムアタックもスコアアタックも考慮されているのが素晴らしい。
そもそもアーケードゲームは長く遊ばせるものじゃないから体力が減少する設定になっていて各フロアには制限時間も設定されている。だからプレイヤーは急いでクリアするのが前提になっているのでタイムアタックとの親和性が高いといえる。
そのタイムアタックのレギュレーションもプレイヤーが複数の選択ができるようになっている。たとえばショートカットを使える部分があることや、別ルートに進む分岐があるもの変化を与える要素だし、開始ステージを選べることで普通ではできない短時間クリアも目指せるようになっている。
一方スコアアタックでいえばペンダントというアイテムは取得点に倍率を与える代わりに戦いには役に立たない。ハサミは高得点が入る代わりに仲間を失ってしまう。あえて重荷を背負うことで より高いスコアが取れる設計は深みに潜るためのものとして、遊び甲斐があって好き。
ステージに隠された見えない宝箱もスコアアタックを面白くする要素のひとつになる。
そうしたやりこみを練習したいとなった時にもステージセレクトが役に立ってくれる。もうアーケードとは思えないほど配慮が行き届いている。知名度の低さに反して完成度が高い良質なゲームだ。
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